「花火の未来」(福岡県みやま市)
2025年03月09日

夜空をきらびやかな光で彩る打ち上げ花火。
大勢の観客で賑わうその様は、まさに夏の風物詩だが、私たちにとってより身近な花火といえば、スーパーやコンビニなどで販売されている玩具花火だろう。
30~40年前は駄菓子店でバラ売りされていたほどだ。
そんな玩具花火をみやま市で製造している「筑後屋花火工業所」は今年創業104年になる。
子供のころから工場で働く両親や祖父の姿を見て育った筒井さんは、高校卒業後にこの道に進むことに何の違和感もなかった。

手持ち花火で最も大事なことは、子供が安全に楽しめること。
その上で、原料の配合を調整しながら、火花の勢いや色の濃淡のバランスを探り、火花が広がるイメージを想像して作っていく。

最近は、庭がない住宅や火気禁止の公園なども増え、花火をする機会が減ってきているため、親が花火を買うことを敬遠し、ますます“花火離れ”が進んでいるのが現状だという。
「夜の屋外」という子供にとって馴染みのない環境に現れる鮮やかな火花と音、そして煙の匂い。
それらは子供たちの記憶に深く入りこみ、思い出として残っていく。
だからこそ、子供の時に手持ち花火で楽しんだ今の大人たちが、今の子供たちに玩具花火を体験させてあげることが、“花火離れ”をなくし、次の世代につながると信じている。

そんな筒井さんが未来に残したい風景は「高田濃施山公園」。
池や木々に囲まれた自然豊かな公園で、園内の展望台からはみやま市を一望できる。
地元の学校では遠足で利用され、みやま市民にとっては馴染みのある場所。

かつて自分の遊び場だった高田濃施山公園に、今では子供を連れて遊びにくるという筒井さん。
楽しい思い出を振り返ることができ、落ち着けるこの場所が、子供にとっても大切な場所になってほしいと、心から願っているそうだ。