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「半農半陶」(福岡県朝倉郡東峰村)

2025年06月01日

江戸時代、東峰村にもたらされた小石原焼。
この地に窯場が開かれたのは赤土と薪資源に恵まれた土地であったからだそうだ。
そんな東峰村で、とりわけ土に熱い思いを抱く陶芸家、カネハ窯3代目熊谷裕介さん(52)。
昔ながらの窯元のライフスタイルにならい「半農半陶」の生活を送っている。

半農半陶とは農業を主業としながら、作物の実らない冬季に作陶を行うという生活様式だ。
収穫した米はもちろん、稲刈りで出たものまで作陶に生かされる。
生活で出てきたものを材料にしているのが小石原焼の特徴なのだそうだ。
今では小石原地区の窯元のほとんどが専業化しており、昔ながらの半農半陶スタイルを残しているのは数軒を残すのみ。
「米作りをやめた人が、また米を作りたくなった時のためにも私はやめられないんです。」と語る熊谷さん。
できた稲わらを他の窯元にもわけるなど、この地域を支えている。

小石原の土で器を作り、小石原の土で作った米を食べる。自分が作ったお米をできるだけおいしく食べてもらいたい、そのような思いでお茶碗の形にはこだわっている。
農業と陶芸、小石原の自然の恵みを余すところなくいただいていると、日々感じている熊谷さん。毎日、土に向き合いながら仕事をできることが、半農半陶のメリットだそうだ。

そんな熊谷さんが未来に残したい風景は小石原の原(はる)地区の田園風景。
蛙や鳥の鳴き声だけしか聞こえない、田舎らしい田舎であることが一番のお気に入りだそうだ。
この地で生まれ、陶芸と田んぼの手伝いで幼少期を過ごした熊谷さんにとって、この自然の風景が後世に引き継ぎたい場所だと言う。
「自然に恩返しができるような仕事がしたい。」田んぼを見る熊谷さんの目が、優しく温かいのが印象的だった。

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カネハ窯

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