【別府竹細工❶】「竹との疎通」大谷健一さん
2025年09月21日

2025年9月21日(日)に放送された「九州リースサービスプレゼンツ STORY」では、大分県別府市の竹細工職人・大谷健一さんの物語をお届けします。

立ちのぼる湯けむりが日常の風景にとけこむ大分県別府市。
この地に古くから伝わる伝統工芸が別府竹細工です。
その道を20年にわたり歩み続ける職人、大谷健一さんの工房は、竹の香りと、リズミカルな竹の割れる音に満ちています。
「竹に魅せられてしまいましたね」と穏やかながらも情熱をこめて語ったあと、「一見みんな同じ竹に見えるんですが、一本一本性質が違うんです。千差万別なんですよね」と言葉をつなぎました。

大谷さんにとって竹は、単なる材料ではありません。
その日の竹の状態を見極め、竹に合わせて道具を操る、自然との対話そのものです。
力任せにすれば反発し、言うことをきかない。
だからこそ「竹の声をきいて、こっちの方に行きたい、こういう形になりたいっていう形にうまくまとめる」のだそうです。
それがこの仕事の最も難しい点であり、同時に最大の魅力だと言います。
数ある編み方の中でも特に高度な技術を要する亀甲編みは、まさに職人技の真骨頂。
寸分の狂いも許されない集中力と、長年の経験に裏打ちされた手の動きには、見る者を圧倒する力があります。

古くに別府に訪れた湯治客が、自炊生活で竹製のザルやカゴを使い、それが土産物として全国に広まったことで、別府の竹細工の名声は高まりました。
別府の街に絶え間なくのぼり続ける湯けむりは、きょうも大谷さんの竹細工にかける情熱を温め続けます。
竹と温泉、そして人々の暮らしが織りなす、温かくも力強いふるさとの物語をご覧ください。