【椅子張り職人➋】「厚革と手技(しゅぎ)」長尾玲麻さん
2026年11月01日

福岡県糸島市。
海にのぞむRitzwellの家具工場。
Made in JAPANのプライドを持って海外にも挑戦しているブランドであり、美しさと実用性を兼ね備えた家具として高い評価を受けています。
職歴14年の家具職人、長尾玲麻さんはこれまでの経験や知識を生かし、Ritzwellの唯一無二のデザインを、実際の製品に落とし込むため試作品を製作しています。
試作品はその後、商品として世に送り出す職人の手に引き継がれていくのです。

Ritzwellのデザインの特徴的は、張り材の2倍以上、約2mmの厚革を椅子の構造材として取り入れていること。
革本来の張りや経年変化を楽しむことができるだけでなく、ステッチやコバ(裁断した革の断面・切り目)の処理にも丁寧な仕事を施すことで、豪快さと繊細さをあわせもつ椅子が出来上がると言います。
厚革を扱うことは難しく工程も多いですが、優れた職人が丁寧な処理を施すことで他の素材には得難い美しい家具に仕上がります。

さらに長尾さんが特に重視しているのが“手縫い”です。
Ritwellの代名詞とも言える手縫いですが、1本の糸の両端にそれぞれ曲げ針を通し、丁寧に、緻密に、縫っていく作業はときとして1日かかることも。
その美しい仕上がりは職人から職人へと引き連れてきた手技なのだそうです。

長尾さんが未来に残したい風景は、糸島市二丈の海の風景。
大分県日田市の山間の町で育ったという長尾さんは、海を見るだけで胸が高鳴るそうで、仕事終わりに、夕日に染まった空や海を見ることができる糸島の地で、職人としての手技を磨いていきたいと考えています。