「竹活」やってます! 美しすぎる竹細工で町おこし 福岡県福智町

竹を使った作品の数々

町の中央部で合流する彦山川と中元寺川、標高901メートルの福智山など、美しい緑に恵まれた福智町。そんな筑豊の豊かな自然を次世代に残したいと奮闘する熱い人がいる―。
そんな情報を聞きつけた九州朝日放送の夕方情報番組「シリタカ!」が2019年1月14日に放送した情報を紹介します。ガイドブックにも載っていない地域の魅力をアツく伝える新コーナー「ふるさとWish シリタカ ミツケタ」が注目した、「ちくほう竹活」の担い人とはどんな人物なのか?!

福智町で「竹活」を行ってる竹職人の辰島さん(37歳)

「シリタカ ミツケタ」新リポーターのカイラくんが訪れたのは、田川郡福智町。福岡県の北東に位置するこの町について、カイラくん曰く、「町の形が足の長いカピパラに見える」というためになるような、ならないような豆知識からスタート。
スタジオから「今日の情報ってそれ?!」と総突っ込みを浴びながら、カイラくんが入っていくのは、倉庫のような場所。そこには、温かな灯りを放つ緻密な細工を施した竹灯籠をはじめ、大きく立派な門松、ワクワクするような流しそうめん台が並んでいます。
「新たな魅力の一つとして竹を使った町おこし「竹活」を行っている、辰島裕さんです!」とカイラくんが紹介したのが、今回「ミツケタ」が注目した人物です。

竹林を活用することで、放置竹林を里山にしていきたい!

「竹太鼓」を打ち鳴らし、ポーズを決める辰島さん

「これ、何かわかりますか?」カイラくんが指したのは、一つの竹細工。腰の高さほどの台座に1m弱の長さに切られた竹が一本、備え付けられています。「え~?流しそうめんの台と同じように見えるけど、流しそうめんと違って割られてないしね~」とスタジオが困惑する中、辰島さんが勢いよく竹を打ち鳴らし始めます。
力強く勇ましい掛け声とともに、素早く打ち込まれるバチが乾いた竹を弾き、独特の音色を奏でます。それは、「竹太鼓」という竹で作られた楽器だそう。

これが独特な音色を奏でる「竹太鼓」

「町の高齢化が進み、手つかずになった放置竹林をゴミにせず、何とか活用できないかと考えたのがきっかけなんですよ」という辰島さん。2015年に発足した放置竹林整備のボランティア活動を、約1年前、「竹のよろずごと」を行う会社として本格始動、福智町の竹を使ったさまざまな作品や活動を通じて、竹の美しさ、豊かな自然のありがたみ、そしてそれらを育む福智町の魅力を発信しています。「活動を始めたばかりで、まだまだ奮闘する毎日です。だから、作品もまだSNSなどを通じた注文販売で対応しているところで…」と辰島さんは語りますが、一つ一つ、丁寧に手作業で作られた作品たちを見れば、熱い心意気を持って活動していることが伝わってきます。

竹チップ肥料で育ったジャンボにんにくで屋外バーベキュー!

取材中、カイラくんが実際に竹の恩恵を味わってみることに。それは、伐採竹を使った竹チップ肥料で育ったジャンボにんにく!大ぶりのニンニクを豪快に屋外バーベキューで焼き上げます。
「わ~あったかい!」とバーベキューコンロのそばで声を上げるカイラくん。そのコンロで火を放っているのも竹炭です。辰島さん曰く、「持続性は木炭に劣りますが、木炭より高火力なんですよ」とのこと。焼きたてのジャンボにんにくを頬張り、「アツアツ、ホクホクでおいしい!」と絶叫するカイラくんでした。

「放置された竹を単純に伐採し、ごみとして処分するのではなく、いろいろな用途で世に送り出すことで、竹の美しさ、魅力を伝えていきたいと思っています。その活動の中で生まれる美しい未来があるはず、それを次の世代につないでいくのが使命だと感じています」。そう語る辰島さんの「竹活」はまだ始まったばかりですが、きっと福智町の新たな活力となるはずです。

※この記事は2019年の情報です。内容は変更している可能性があります。事前にご確認ください。

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