趣味で手作り!おもちゃだらけの謎の民家~ふるさとWish 鞍手町~

360度隙間なくおもちゃで埋め尽くされたリビング

福岡市と北九州市のほぼ中間地点にある鞍手町。人口約16000人のこの街は、県内有数のブドウの産地として知られています。そんな鞍手町で話題になっている謎の民家があると聞き、2019年2月12日(火)の放送九州朝日放送の朝の情報番組「アサデス。KBC」の「ふるさとWish アサデス。旅行社」は、早速現地に行ってみることに―。全国各地から訪れるという「謎の民家」、一体、どんなところなのでしょうか。

ボビーと田中隆樹さん(78歳)

「話題の家の方ですか?」と、ボビーの問いかけに… 「こんにちは」と豪快な笑顔で返す田中隆樹さん、御年78歳。快活なこの方が今回の主役です。

早速、件のスポットである田中さんのご自宅に伺うことに。「見た目は普通の住宅ですけどね」と中に入ると、「え?え?え?」と戸惑うボビー。そこにはリビングいっぱいにおもちゃ!おもちゃ!おもちゃ!360℃全体がオモチャに囲まれ、入りきらいないものは押入れの中にも。「話題の民家」とは、数千点の木のおもちゃがたくさんある「おもちゃの家」だったのです。

レバーを回すとジョッキーが鞭打ち競走馬が走り出す精密な仕掛けのカラクリ人形

これらのおもちゃ、レバーを回すとジョッキーがムチを打ち競走馬が走りだしたり、可愛らしいうさぎが楽器を演奏したりするカラクリ仕掛けのものばかり。一つ一つ精巧に作られ、動きも繊細です。「すごく細かい動きもするんですね!」と感心するボビーですが、これらが、田中さんの手作りであることを知り、「え~!一体、何者?!」と驚愕します。

「おもちゃが好きなんですよ」とにこやかに笑う田中さん。20年前、仕事をリタイヤした後、趣味で作り始めたといいます。そのきっかけは、近所の古民家が解体される際の廃材を譲り受けたこと。「廃材とはいえ、良い木がたくさんあるのにもったいない」と、最初に手がけたのは、木をナタで削って作ったマリオネットでした。
それを玄関にぶら下げていたら、見かけた人たちから「面白い!」と評判になり、「そんなにいうなら…」とプレゼントしていたら、どんどん話題になり、今では北は北海道、南は沖縄まで、多くの人が田中さんのおもちゃを見に訪れるようになったそうです。

楽器を演奏するうさぎさんが着ている洋服は、なんと奥様の美代子さんが作ったもの

「奥さんはどう思っているの?」とボビーが尋ねると、妻の美代子さんは「こんなことする人とは思っていなかったんですよ。もう次々と出来上がるから、放っているんです」と笑いますが、人形が来ている洋服は、美代子さんの手作りです。

新たな命を吹き込まれた温もり溢れるおもちゃたち

作業中の田中さん。捨てられる廃材が田中さんの手によっておもちゃに変身!

精密な仕掛けのカラクリおもちゃを手がける田中さんですが、おもちゃ作りを始める前まではノコギリはもちろん、クギ1本、木工工具など触ったことすらなかったといいます。そう、すべてのカラクリ人形を独学で作っているのです。
「気まぐれに作っていたら、どんどん面白くなって」と、気が付いたら20年毎日、何かを作っているそう。「お前は何になりたいかって木と話をしてるうちに、いろんなおもちゃができるんですよ」というように、どんなに複雑なものも作りながら形にしていくといいます。「設計図なんて書いたこともないし、趣味で作っているから、こんなものを作ってと頼まれてもできないんですよ」と田中さん。おもちゃたちの表情が、どこか笑っているように感じるのは、田中さんとの楽しいおしゃべりで新たな命をもらって喜んでいるからかもしれません。

鞍手町で出会った木のおもちゃに溢れる「謎の民家」。どこか懐かしい気持ちになるこの場所は、人と木の「温もり」に満ち、訪れる人を笑顔にしてくれる不思議なパワーに溢れていました。

※この記事は2019年の情報です。変更している可能性があります。事前にご確認ください。

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