【かわさきパン博を100倍おいしく楽しむ特集】4年振りのリアル開催!担当者に聞く魅力&町で進む“その先”プロジェクト

田んぼや畑が青々と輝き、雄大な自然に恵まれた福岡県・川崎町。
そんなのどかな町が、年に一度、パンの香ばしい匂いと、パン好きの熱気に包まれる祭典『第11回かわさきパン博(ぱく)』が10月1日(日)に行われます。

コロナ禍を経て、4年振りのリアル開催。40店以上のパン屋さんが集合し、川崎町産のテーマ食材を使ったオリジナルパンなどを販売。また会場内では、川崎町グルメや周辺地域の名物を販売するマルシェやワークショップも開かれます。

参加店がかなりの熱量をかける同イベント。川崎町役場商工観光課で「パン博」を担当する田邉律子さん(写真中央)は「“かわさきパン博”だけは出たい“とおっしゃってくれるお店も多いんです」と胸を張ります。同課の金髙和子さん(写真右)も「パン屋さんは、出店にあたって川崎町の食材を使うことを条件にしています。ともすれば負担に思われても仕方がないのですが、みなさん楽しんで工夫してくださるし、パン博が終わった後も川崎町の食材を使い続けているパン屋さんもいらっしゃる。とてもありがたく思っています」と話します。

「かわさきパン博」は2012年にスタート。そのころ、川崎町にはベーカリーが一軒しかありませんでした。「そこを逆手に取ろうと。パンが少ないからこそ、たくさん集まったら絶対におもしろいと企画しました」と、「パン博」の“生みの親”で、川崎町役場企画情報課の福島昌美さん(写真左)。当時、パンだけに特化したイベントは福岡になかったそう。前例のない取り組みのため、パン屋を一軒一軒回って口説くのも大変だったといいます。

それでも23軒のパン屋が参加し、初回の「パン博」は大成功。川崎町でも人は来るという自信につながりました。

それから10年。「パン博」は年々人気となり規模も大きくなりましたが、出店希望のパン屋が減った年があったり、パン以外のコンテンツに振り回されたりと、苦い経験も。さらに福岡県内に似たようなイベントが増え、差別化を図ることが難しくなったのも事実。ただパン屋を集める、パンが買えるというだけでは、独自性を見出せなくなりました。

「もはや規模の面で負けてしまう。川崎町にしかできないパンイベントであり続けるためには、出店者さんと培ってきた絆を何よりも大切にしなければと思っています」と田邉さん。

たくさん集めるよりも、長く愛されるイベントへ―。

「お客様はもちろん、出店する方たちもハッピーになれないとだめなんです」と福島さん。「歴代のパン博事務局メンバーが培ってきたものを壊してはいけないというプレッシャーはありますが、絶対に次回につながるパン博にしたい。いずれは学生のパン作り対決など、新しいことにも挑戦したいですね」と、田邉さんも目を輝かせます。

そして今、川崎町では、斬新な道の駅プロジェクトが進んでいます。
コンセプトは、ずばり“パンのテーマパーク”!

「パン博」初回に携わった福島さんは、「パン博」を単なるイベントで終わらせたくないと考えていたそう。「当初抱いていた、パン屋さんの移住やふるさと納税でパンを返礼品にするという目標は実現しました。川崎町=炭鉱というイメージから、川崎町=パン博に変わってきたと感じています。でもイベントは一時的な集客に過ぎません。“その先”を見据え、町の活性化につなげたい。そこで、どこにもない道の駅を作ろう!と」。

「まだ多くは話せませんが、焼き立てパンの朝食が食べられたり、パンのいろんな体験ができたりと、今までになかった道の駅になりますよ!」と、同プロジェクトを進める福島さん自身もワクワクしている様子。

さらに「ゆくゆくは、町内で栽培した小麦と食材を使ってパンを作りたいんです」とも。川崎町は農業が盛ん。パン博のテーマ食材にもなっているリンゴやイチジク、小松菜、シャインマスカットなど、質の高い農産物を作る農家が多いのです。「本当にどれもおいしく、その食材があるからこそ、パン博はここまで成長できました。数年後、川崎町産の小麦と食材でパンを作れたら…私の夢であり、目標です」。

川崎町の構想は現在“2次発酵中”。
“パン博の町”ではなく、福岡を代表する“パンの町”になる日も遠くないかもしれません。

URL:https://panpaku.net/

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