ギネス世界記録®に認定!筑前町の風物詩 巨大わらかがし「ゴジラ-1.0」が2月下旬まで公開中!
福岡県・筑前町『安の里公園ふれあいファーム』で、ワラで作られた巨大アート「巨大わらかがし」が展示されています。筑前町合併20周年を記念し、10作品目となる今回のテーマは「ゴジラ-1.0」。
この作品は「ワラで作った最も大きいフィクション上のキャラクター像」として2024年11月にギネス世界記録®に認定されました。
高さ10.19メートル(ビル3階相当)、幅5.29メートル、奥行き11.86メートル、重さ5.7トンという過去最大級のこのわらかがしは圧巻の一言!!
筆者も実際に見に行ってみましたが、精巧な造形と迫力は本物の「ゴジラ-1.0」を見事に再現しており、田園に佇む鉄塔をも踏み倒してしまいそうな錯覚を覚えるほど!
その勇ましい姿を一目見ようと、休日はたくさんの人が訪れており、フィギュアを片手に目を輝かせるゴジラファンのお子さんも見られました。
■巨大わらかがしを制作したのは―
巨大わらかがしは、地域おこしの若者集団「筑前若者会(ちくぜんわっかもんかい)」を中心に中学生やシニアクラブ、町役場の職員など、町内の各種団体の協力を得て制作されました。総勢延べ1000人以上が参加し、制作期間は2~3カ月に及びます。
制作過程は、まず重機を使って角材や竹で作った骨組みを設置した後、「とば編み」と呼ばれる技法で作られた稲わらを骨組みに丁寧に取り付け、わらかがしの基本的な造形を行っていきます。仕上げ段階では、美しい姿に整えるため、ハサミを使って細部を丁寧に調整しているそうです。この地道で繊細な作業により、わらかがしはより一層魅力的な姿へと仕上がります。
「筑前若者会」のメンバーである焼山達也さんが、制作過程の大変さを話してくれました。
「9月末に稲刈りが始まり、そこから本格的な作業がスタートしました。11月上旬のお披露目まで休日返上で取り組み、平日は仕事を終えた後の夕方6時から夜9時まで、追い込み期間は11時まで夜な夜な作業していましたね」
(写真:2022年「ティラノサウルス」制作の様子)
■ギネス世界記録®への挑戦
当初は単に過去最大級のわらかがしを作る計画でしたが、制作途中で焼山さんを含むメンバーが突如「ギネス認定に挑戦してみよう!」と思い立ったんだそう。
ギネス認定の書類申請を並行して行い、完成を目指しながら進めていく中で、思わぬトラブルにも直面しました。予想を上回る大きさとなり、わらが不足する事態に!しかし、農業を営むメンバーのネットワークでなんとか材料の調達に成功!さまざまな困難を乗り越えて、ついに完成させました。
お披露目イベントの2024年11月3日、観衆の前でギネス認定員の立ち会いのもと、公認の測量士が測定を行った結果、縦・幅・奥行の合計が27メートル以上という基準を見事クリア!ギネス世界記録®が決定した瞬間、会場は大きな歓声に包まれたそうです。
この時、焼山さんは「やり切ったという安堵感しかなかった」と語ります。
世界が認めた「ゴジラ-1.0」の巨大わらかがし。その姿を見ることができるのは2025年2月下旬までです。
筆者が「もったいないですね」と話すと、焼山さんは「はい、いつも皆さんにそう言われますが、桜と同じです(笑)」と、潔く答えてくれました。
一瞬の輝きを放ち、儚く散っていく桜と同様、わらかがしも数カ月間だけ姿を現し、春の訪れとともに解体されていきます。しかし、毎年惜しまれながらも、翌年にはまた新しい作品に地域の人々の情熱が注がれ、命が吹き込まれます。
まだ一度も「巨大わらかがし」を見たことがないという方は、ぜひ自分の目に焼き付けてみてはいかがでしょうか。
『巨大わらかがし展示』
期間:展示中~2025年2月下旬ごろ ※わらの状態によっては、展示期間が変更になる場合がございます。
場所:筑前町安の里公園ふれあいファーム
※安の里公園駐車場は駐車台数が少ないため、満車の場合は筑前町役場駐車場を利用してください。また、周辺での路上駐車はご遠慮ください。
http://www.chiku-sp.jp/matsuri/index.html