
カフェ好き必見!わざわざ行きたい、陶の里・小石原で見つけた!ほっと一息つけるグルメカフェ「kutsurogi+」(福岡・東峰村)【まち歩き】

小石原焼で知られる福岡県東峰村。その入り口ともいえる道の駅のすぐそばに、人の行き交いと笑顔が集まるカフェがある。名前は「kutsurogi+(くつろぎ)」。どこか懐かしくて新しいこの場所に、私は思わず時間を忘れてしまった。
■ 一杯のコーヒーに導かれてたどり着く“我が家”のような空間
元々はうどん屋だったという場所に、地元出身のオーナーが「地域のにぎわいを取り戻したい」との想いで立ち上げたのがこの店。設計士とともに一から作り上げた空間には、随所にこだわりと愛が感じられる。
春には桜、冬には雪景色…店内から望む自然の景色はまるで一枚の絵画。そんな風景とともに、地元の人も旅人も、誰もが自然と心ほどける「帰ってきたくなる場所」になっている。

■ 薪窯の炎が語る、食材へのまっすぐな想い
看板メニューは、注文が入ってから薪窯で焼き上げる本格ピッツァ。その中でも「kutsurogi+ピザ(税込2530円)」は一番人気。モッツァレラチーズの下には、東峰村産しいたけや手作りパンチェッタ、新鮮なミニトマトがごろりと入り、まるで地元の豊かさをそのまま味わうような贅沢な一枚だ。

そして、スタッフさん一推しのメニューが「kutsurogi+カレー(税込1650円)」。ただの“カフェのカレー”と侮るなかれ。使われているのは、じっくり煮込んだ和牛のスネ肉。そこに東峰村のしいたけの軸、玉ねぎをあわせて、赤ワインでコクを引き出している。スパイスは手間を惜しまず自家配合しているというから驚きだ。一口ごとに、肉のうまみとスパイスの香りが幾重にも重なり、舌の上で深い余韻を残す。食べ進めるごとに「ああ、これは本当にいい仕事してる」と、しみじみ感じさせられる味わいだった。
サイドメニューにも個性が光る。「たっぷりキノコのサラダ(税込1100円)」は地元の宝珠山きのこ生産組合から仕入れた新鮮な素材が主役。滋味深く、ピザやカレーとの相性もばっちりだ。

■ やさしさのレシピは、手間を惜しまない心から
スイーツ好きにはたまらない手作りデザートの数々も、この店の魅力のひとつ。中でも忘れがたいのが、無農薬の自家栽培小豆を丁寧に炊き上げた「ぜんざい(税込770円)」。東峰村産のもち米でついたお餅がふっくら柔らかく、小豆の自然な甘みが身体にすっと染み渡る。
食べた瞬間、「これは、どこかで食べたことがあるような…」そんな懐かしさに包まれる。けれど、その後に訪れる味の奥行きに、きちんと手をかけられた“特別な一皿”であることを思い知らされる。オーナーが土づくりからこだわったという小豆は、雑味がなく、ただただやさしい。

■ 香りで伝える、もうひとつの“おもてなし”
ドリンクにも、店の誠実な姿勢が光る。ハンドドリップで丁寧に淹れたオーガニックコーヒー(税込660円)は、まるで“癒しを飲む”ような味わい。しかもその一杯は、オリジナルの小石原焼カップで提供される。手仕事のぬくもりが指先から伝わってくるようで、飲む前からほっとする。そして、九州初導入というエスプレッソマシンで抽出されるカフェラテやキャラメルマキアートも、専門店顔負けの本格派。器から味わいまで、細部に宿る心配りがある。
さらに4月から順次、焙煎機が稼働予定。現在は仕入れ豆を使っているが、いずれは自家焙煎のコーヒーが楽しめるようになるという。焙煎まで挑戦しようとするその姿に、店づくりへの真摯な思いが伝わってくる。
■ 静かに流れる時間に、身も心もゆだねて
取材中、気がつけば外はすっかり暗くなっていた。スイーツを頬張る女性の笑顔、グラスを傾け語らう大人たちの笑い声。そんなひとときが、店内の穏やかな時間にやさしく溶け込んでいました。
陶器や観葉植物、手仕事の雑貨も並ぶ店内には、つい誰かに贈りたくなる品々も揃っている。食べて、飲んで、選んで、誰もがこの場所に“ちょっとした幸せ”を見つけて帰っていく。
遠くからでも、近くからでも、ここに来る理由はきっと見つかる。何気ない日常の中に、自分を大切にできる時間を。そんな場所が「kutsurogi+」には、静かに、けれど確かに息づいています。
次の週末、あなたも自分へのごほうびを探しに、小石原へ出かけてみませんか?
■『kutsurogi+』
住所:福岡県朝倉郡東峰村大字小石原931-1
TEL:090-3146-9262
営業時間:11:00~20:00 (19:00 L.O)
定休日:水曜
駐車場:あり
※価格はイートインの場合の消費税10%で表記
[HP]
https://www.kutsurogi-p.com/