
わざわざ行きたい!予約必須の蕎麦&パンランチ。創業24周年!求菩提山の麓で父の夢の続きを家族で紡ぐ「茶房 山帰来」(福岡・豊前市)【Oasis~心の休息地をめぐる旅~】

福岡県豊前市、求菩提山の麓に佇む「茶房 山帰来」。築約120年の古民家にアンティークのテーブルが並ぶ店内は、どこか懐かしく、心がホッとするような温もりある空間になっています。店の始まりは今から24年前。故・岩田郁生さんと妻・法子さんの2人で始めた店を、現在は母・法子さん、次男・慎平さん、双子の長女・みおさんと次女・ゆいさんで営んでいます。

◼️「茶房 山帰来」は、蕎麦とパンを一緒に提供する珍しいスタイル。
開店前「蕎麦屋にするか、うどん屋にするか」迷っていたそうですが、法子さんが「うどんがあんまり好きじゃない」という理由から、開店当初は蕎麦屋としてスタート。その後、常連客の「パンをやったらいいんじゃない?」という声に後押しされるかたちでパン作りも始めたそうです。当初は蕎麦のランチとパンのランチは別メニューとして提供していましたが、遠方からわざわざ足を運んでくれる人たちの「両方食べたい」という要望に応えるべく、蕎麦とパンを一緒に組み合わせた独自のメニューが誕生したそうです。
ランチメニューで最初に出てくるのは、焼きたての丸いパン3種類とスープ。名物の栗の餡子が入った揚げパンは、長年愛され続けている店の看板メニュー。これを目当てに訪れるファンも少なくありません。ホテルで洋食のシェフをしていた長男・ 慎平さんが、独学でパン作りを勉強し、店でパンを焼き始めてから16年。長女・みおさんは、父・郁生さんの死後、パン作りをスタートし約3年。家族みんなで大切に受け継ぎ、磨いてきた、深い味わいがそこにはありました。
次に運ばれてくるのは、北海道産の手打ち蕎麦。一口目は、ポルトガル産のバージンソルトの塩を少しかけて味わいます。その後、好きな薬味を少しずつ足していき味の変化を楽しみます。

「昔は両親共に忙しくて、学校行事で来てくれたのは小学校の入学式と大学の卒業式くらい。運動会や文化祭にはお客さんが来てくれていました」と長女・みおさん。店に集う人みんなから家族のように見守られながら育ててもらったエピソードを話してくれました。

◼️今は亡き父・郁生さんが店名「山帰来」に込めた願い
昔、病気になった人が山に入りその植物のおかげで元気になって「山から帰って来た」という逸話からその名がついたという「山帰来」。この店名には、店を訪れた人が「お腹いっぱいになって、元気になって帰って欲しい」という、父・郁生さんの願いが込められています。店先には母・法子さんが種を蒔いてから10年の時をかけて大切に育ててきた「山帰来」の姿がありました。
「この店で出会って仲良くなったという方々がたくさんいて、うちのお店のことをわかってくれている人が、横にどんどん繋がっていってくださっている感じがするんです。食事を終えた人から『心も体も満たされた』『ここに来て本当に良かった』という声を聞けた時が一番うれしい」と語る長女・みおさん。すごく気に入って、その日のうちに次の予約をして帰る人も多いそうです。

「父が作り出した蕎麦とパンの味を母と兄弟でしっかりとやれている姿を父に見てほしいなって。みんなで頑張っているよって伝えたい」。
24年前、父・郁生さんと母・法子さんがにこの地に植えた「山帰来」という強い想いは、時をかけて多くの人の心にしっかりと根を張り、次の世代へと受け継がれながら、この先もずっと訪れる人の心を癒す可憐な花と実を紡ぎ続けることでしょう。
■茶房 山帰来
住所 福岡県豊前市鳥井畑658
電話 0979-84-8150
営業時間 11:45〜夕暮れ ※ランチは予約制(ランチ12:00〜14:00/12時スタート・13時スタートの2部制)
定休日 月・火曜(祝祭日は営業)
Instagram @sankira_i
https://www.instagram.com/sankira_i/
※営業時間・定休日・記載の内容などは変更している場合がございます。事前にご確認ください。
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【Oasis】
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