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脚気を巡る戦い

2020年10月17日

[宮崎県]

高木兼寛(3)

高木兼寬が、海軍軍医大監に任命されたのは、イギリス留学から帰国後の明治15年34歳の時でした。当時、日本では「脚気」が大流行し、年間1万人から3万人が亡くなる未曾有の事態となっていました。
すぐに対策に乗り出した高木は、ヨーロッパでは「脚気」という病が知られていないことから、日本人が欧米人に比べて米の過剰摂取と、タンパク質不足が原因ではという仮説を立てます。食生活の違いに注目したのです。

太平洋を横断演習中の軍艦で376名の乗組員中、169名が「脚気」を発症する事態が発生。高木は、食事を米食から肉・野菜に変更するように指示。
すると、患者は快方に向かい無事に帰国できました。

ところが、「脚気」は細菌による伝染病とするドイツ医学の医師たちが、高木の説を真っ向から否定。
その中の一人が、後の森鴎外でした。

「研究第一の医学」のドイツと患者に寄り添う「臨床医学」のイギリス。
二つの意見が対立する中、高木は時の首相、伊藤博文に嘆願し明治天皇に自らの栄養説を奉じました。

その結果、大人気の日本の国民食が誕生することになったのです。

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