天神町と因幡町
2023年04月01日
[福岡県]
因幡町物語(1)
2015年にスタートした大型再開発プロジェクト、天神ビッグバン。九州最大の経済都市であり、福岡の中心部「天神」の町並みは刻々と変化を遂げています。
実はここ天神地区の都市開発の歴史をひも解いていくと、とある町が欠かせない存在となっていたのです。
現在の天神一丁目に建つ水鏡天満宮。
今から400年以上前、福岡藩・初代藩主の黒田長政が学問の神様・菅原道真公を祀る神社を福岡城の鬼門である、この地に移しました。
やがて天満宮に面した通り一帯を「天神町(てんじんのちょう)」と呼ぶようになったのが「天神」という地名の由来です。
もともとの天神町は現在の明治通りに面した一帯で周辺は別の町名が付けられていました。
天神町の南に隣接していたのが「因幡町」です。
江戸時代は福岡藩の武家屋敷があった町で、地名は長政の重臣・黒田二十四騎のひとり、衣笠因幡景延の屋敷があったことに由来するといわれています。
今では天神中心部の一角をなす地ですが、実は町内には「因幡町山」と呼ばれる丘があったといわれています。
かつて丘があったといわれるほど未開発だった天神地区。
それが現在のように発展する大きな転機となったのが、九州最大規模の博覧会誘致だったのです。