チャドウィック・ボーズマンの演技を目に焼き付けろ!『21ブリッジ』
2021年04月08日
[薫と有紀の日曜日もダイジョブよ!]
この作品のさらに詳しい情報はこちらまで→http://www.21bridges.jp/
映画館で1時間40分にわたる緊張感を味わいたいアナタにはピッタリの作品だ。
N.Y.マンハッタン島での“ヤバいクスリ”をめぐる事件に加え、昨年8月28日にがんのため43歳という若さで亡くなったチャドウィック・ボーズマンの演技に釘付けになる。セリフで「マンハッタン!」と地名を言うだけでサマになる俳優はそうそういないからだ。
あらすじはこうだ。2人組の男が大量の麻薬を奪うが、間が悪いことに警官と鉢合わせして銃撃戦になり、結果的に8人を殺害して逃走する。
現場にチャドウィック・ボーズマン扮するN.Y.市警のアンドレ刑事が登場。マンハッタン島の中に逃げ込んだ2人を捕まえるために21本ある橋の封鎖を宣言する。
だが、捜査に横ヤリを入れたがるFBIから「閉鎖の制限時間は午前5時まで。それまでに必ず解決しろ!」とプレッシャーがかかる…。
ただ、不思議なことに、2人の犯人の素性はやけに早くわかる。“何かがヘンだ”と思っていると、確かにヘンな方向に話が進んでいき、後半の展開は“手垢のついたプロット”に見えてしまう。しかし、それは単に“見える”だけで大きなどんでん返しが待っているのだ。
プロデューサーには、チャドウィック・ボーズマン本人に加え『アベンジャーズ/エンドゲーム』や『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の監督を務めたジョー・ルッソ&アンソニー・ルッソの“ルッソ兄弟”が名を連ねる。彼らは「子供の頃に夢中だったN.Y.の刑事ものを完全な現代版に再現した」と語る。
冒頭、アンドレ刑事が捜査中に容疑者を射殺したことで査問を受けるが、実はそれが“どんでん返し”への伏線で、複雑な現代社会の問題点をあぶりだしているのだ。
くどいようだが、最初から最後まで、主演のチャドウィック・ボーズマンの存在感に圧倒される。
彼が、2017年の『マーシャル 法廷を変えた男』から2020年6月にNetflixで公開された『ザ・ファイブ・ブラッズ』まで、手術・化学療法の合間に撮影していたことを後から知った。
ということは、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の主演作『ブラックパンサー(2018)』のあの勇姿も“スーパーヒーローであるチャドウィック・ボーズマンを演じていた”わけで、エンドクレジットとともに「大きな喪失感」を感じるのだった。
※この作品は、ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13、ユナイテッド・シネマ福岡ももち、福岡中洲大洋ほかで4月9日(金)から全国ロードショー公開(配給:ショウゲート)