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薫と有紀の日曜日もダイジョブよ!

韓国映画の実力を思い知らされます! 映画『コンフィデンシャル:国際共助捜査』

2023年09月26日

[薫と有紀の日曜日もダイジョブよ!]

この作品の詳しい情報はこちらまで→https://gaga.ne.jp/confidential/

Ⓒ2022 CJ ENM CO., LTD., JK FILM ALL RIGHTS RESERVED

 あの『愛の不時着』の後は初となるヒョンビン主演作の登場だ。宣伝でも「“愛の不時着”のヒョンビンが再び日本中を虜にする!」となっている。まさにその通り!

 しかし、注目すべきはそれだけではない。映画の魅力がたくさん詰まった作品なのだ。登場人物の生活環境や上下関係にはじまり、最後まで予測不能なプロットにこだわりアクションシーン。さらには、朝鮮半島をめぐる政治情勢まで扱っている。
 
 一見すると新作のようだが、実は韓国で2017年に観客動員数718万人を記録し、上半期の観客動員数1位になった『コンフィデンシャル/共助(日本でも2018年公開)』の続編だ。ただ、日本で大ヒットしたNetflixの『愛の不時着』の配信が2020年だったので、今回は前作以上に注目を集めているわけだ。

前作と同じように、基本はヒョンビン(右)&カン・ジンテのバディものだけど、朝鮮半島の北と南のコンビというのがミソ。

 設定は1作目とほとんど同じ。ヒョンビンが演じるのは北朝鮮のエリート特殊捜査員。今回のミッションは、10億ドルの黒い金を持って北から逃亡した犯罪組織のリーダーを捕まえて現金を回収すること。

 その悪役はFBIがアメリカ国内で拘束していたが、犯罪組織の作戦によってまんまと逃走し“ある理由”で韓国国内に潜伏していることがわかる。

 ここからが突飛な展開。北から「力を合わせて犯罪者の摘発を…」と持ち掛けられ、前作でもヒョンビンとバディの関係だったカン・ジンテ演じる韓国のズッコケ刑事が登場。いずれも思惑を隠しながら協力関係を結ぶ。

 さらに、メンツをつぶされた形のFBIもダニエル・ヘニー扮する敏腕捜査官をソウルに送り込んで荒っぽい捜査を始める。これでサブタイトルにあるとおり北・南・USAによる「国際共助捜査」が成立する。

北・南・USAによる作戦会議は、何故かソウルの居酒屋で行われ…。

 …とは言うものの「いくら何でも、そんなことできるはずないだろッ!」とツッコみたくなる展開。しかし、ヒョンビンは私たちが持つ“北朝鮮の特殊捜査員”のイメージを演じきるので物語に引き込まれてしまう。

 それはセリフのあるシーンはもちろんのこと、無言でアップになるショットからもきちんと心情が伝わってくる。改めて彼の演技力には敬服するしかなかった。

 オープニングにも注目だ。犯罪組織のリーダーを護送するニューヨークの街角からスタートし、FBIの車列が襲われていきなり銃撃戦になるが、数ブロックを閉鎖した大掛かりなロケで時間もかかっただろうな~と思っていたら、なんと6カ月以上かけてニューヨークの街並みを再現したセットだった!カーチェイスシーンも全長100メートルの4車線道路を作って撮影されたというから驚きだ。

ハイテク技術を駆使する国際共助捜査だが、最も効果を発揮するのは最近よく目にする“最新アイテム”だった。

 1作目を見ていなくても十分楽しめるが、前作のエピソードを引き継いだ点がいくつかある。

 特筆すべきは、韓国のガールズグループ“少女時代”のセンターポジションを務める イム・ユナの再登場だ。カン・ジンテ演じる刑事の義理の妹で、ヒョンビンに想いを寄せる設定だが、今回は共助捜査にも積極的にからんでいた。

 他にも、車内で交わされる北と南にまつわる会話や警察組織の中で生きる人々のホンネ、荒唐無稽な武器で敵を倒すシーンなど、もはやお約束状態。

 特に序盤で登場する“女性が好む商品”のエピソードは、前作とのつながりがあるのに詳しい説明を省き、最後の最後に伏線回収で登場して印象に残す。この点はヒョンビンが演じる北の捜査員の人生に関わる深い話だが、たいへんスマートに決まっていた。

 適度な笑いを織り交ぜながらも脱線することはなく、刑事アクションとしての完成度も高い。韓国映画のエンターテインメント性を感じさせる秀作だった。


※この作品は9/22(金)から、TOHOシネマズ ららぽーと福岡、福岡中洲大洋、ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13ほかで全国ロードショー公開中です。
 

今回は“ユーチューバー”という設定のイム・ユナがいい味を出していて…。

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