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薫と有紀の日曜日もダイジョブよ!

ゲームを知らなくても楽しめます! 実写版『マインクラフト/ザ・ムービー』

2025年04月28日

[薫と有紀の日曜日もダイジョブよ!]

この作品のさらに詳しい情報はコチラ→https://wwws.warnerbros.co.jp/minecraft-movie/

© 2025 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

 ご存じのように人気のビデオゲーム「マインクラフト」の実写映画化だ。

 すでに世界76の国と地域で公開され、全世界の興行収入は7.2億ドル(およそ1,000億円)を突破、アメリカでは『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年)』のオープニング記録を超え、ゲーム原作映画として史上最大のオープニング記録を達成した(Box Office mojo調べ ※1ドル141円換算 4/21現在)…などとデータを引用したが、自分は「マインクラフト」のプレイヤーではない。

 にもかかわらず、試写会に足を運んだのは、本作の主要登場人物スティーブを演じるジャック・ブラックと監督のジャレッド・ヘスが、19年前に公開された『ナチョ・リブレ(2006年)』以来のコンビを組んだからだ。ジャックが覆面レスラーに扮するコメディだったが、これが笑いあり涙ありの感動作で今回も期待が膨らんだわけだ。

 したがって、ゲームの「マインクラフト」をご存じの方には物足りないとは思うけど、プレイヤーではない自分の感想をお伝えしよう。

スティーブ(ジャック・ブラック/左)とギャレット(ジェイソン・モモア)の二人は、さながら漫才コンビのようで…。

 冒頭、少年時代の冒険心を捨てることができないまま大人になったスティーブは、古い炭坑のトンネルから地中に入り、数々の採掘(mining=マインクラフトのマインね)を行って不思議なアイテムを掘り出す。それこそがマイクラ・ワールドへの“カギ”だったのだ。

 考えたものを何でもつくることができる異世界の住人となった彼は、早速その才能を発揮する。ここまでにゲームの概要説明があるのでルールを知らなくても大丈夫。ただ、空き家になった彼の現世での家が心配になってくる。

 さらに4人の人物が登場。突飛な発想をする少年ヘンリー(セバスチャン・ハンセン)、その姉のナタリー(エマ・マイヤーズ)、ビデオゲーム店を営むギャレット(ジェイソン・モモア)、そしてなぜか移動動物園を運営するドーン(ダニエル・ブルックス)。

 ひょんなことからマイクラ・ワールドへの“カギ”を手に入れた彼らは水先案内人役のスティーブと出会って異世界をエンジョイする。しかし、悪役マルゴシャが率いる四角いブタの軍団に加えて怪しい動物やゾンビに襲われ、予期せぬ大冒険が始まるのだ。

セバスチャン・ハンセンが演じるヘンリー少年がマイクラ・ワールドへの“カギ”と出会うことで人生の転機が訪れる。

 吹き替え版では声優の山寺宏一さんが「よ・よ・よ・溶岩~チ・チ・チ・チキン~」と日本語で歌うジャック・ブラックの「Steve's Lava Chicken」…あのオリジナル曲は、なんとイギリスのトップ40で21位にランクインして彼の最大のヒット曲になった(つまり『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の「ピーチス(原題:Peaches)」より上)だけでなく、34秒というイギリス最短ヒット曲の記録を更新しちゃったのだ。

四角いニワトリを溶岩で調理するナンセンスなシーンがジャック・ブラックのボーカルとともに見どころで…。

 ただ、この実写版はゲームの世界で展開されるドタバタ喜劇ではない。

 ほかの子供たちとは全く違う発想をするヘンリー少年は生きづらさを抱えている様子。プロゲーマーだったギャレットは、チャンピオン時代の栄光を忘れられないが、実は負け組だと告白することになるって、あの“アクアマン”がですよ。

 マイクラ・ワールドではスーパーマンのスティーブは、現世では“世捨て人”のように見え、異世界に引きこもっていたと示唆される。

 さらにマルゴシャが悪の道に走り、金の亡者となったのは、自らの“クリエイティブ能力”を否定されたのがその理由。

 ここまでくると、映画を作ったアメリカ社会だけではなく、自分たちの周りでも見聞きする「他人に対する不寛容さ」もテーマのひとつに思えてくるのだった。

悪役マルゴシャが率いる四角いブタ軍団は、まさに“クリエイティブ能力”の爆発で…。

※この作品は4月25日(金)から T・ジョイ博多、TOHOシネマズららぽーと福岡、
ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13、ユナイテッド・シネマ福岡ももち ほかで
全国ロードショー公開中です。

※文中のいくつかのエピソードをアメリカの映画情報サイトなどから引用しています。

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