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薫の日曜日もダイジョブよ!

単なるコメディではありません! 映画『免許返納!?』

2026年06月18日

[薫の日曜日もダイジョブよ!]

©2026「免許返納!?」製作委員会

 「舘ひろしファンのための、舘ひろし主演による、舘ひろしワールド全開のコメディ」だが、それはこの作品のひとつの表情でしかない。日本社会が抱える疑問から映画文化への愛情まで、数多くの要素が詰まった一本だ。

 物語は、大きなテーマのひとつ「免許返納」にまつわるエピソードでスタートする。

 舘ひろしが演じるのはベテラン人気俳優“南条弘”。アクションスターとして活躍した彼も70歳になり、現在の出演作は「人情喜劇」がメインになっている。

 昔からのファンは喜んで映画館に足を運ぶから興行成績は好調。良いタイミングでキャラクターの更新に成功…と思いきや、本人はアクション映画への出演にこだわっていた。

盛大に行われた70歳の「古希祝い」で感謝の言葉を述べた南条だが、その本心はまったく逆で…。

 ある日、彼と人気を二分していた宇崎竜童が演じるライバル俳優“尾崎誠”がバイク事故を起こして入院。

 当然、映画界の盟友である南条の元にコメントを求めてマスコミが集まるが、そのインタビューが部分的に切り取られ、免許返納を決断したかのように誤解されてしまう。

 このマスコミの“切り取り”による実態の歪曲が、最初の疑問として浮かび上がるのだ。

南条と同世代のアクション俳優・尾崎には胸に秘めた“ある想い”があって…。

 本心とはまったく違う“免許返納問題”が急速に拡散して炎上する中、病床の尾崎が抱える“ある想い”と自分の心の中にある“ケジメ”のために、西野七瀬が演じるマネージャー“川奈舞”を巻き込んで東北地方へと旅に出る…ってこのあたりから内容が“ロードムービー”へと大変身。

 道中で助っ人となる八嶋智人が演じるドライバーのキャラや乗りこなす“愛車”は明らかに昭和の映画文化を象徴するもの。

 彼の姉役の南野陽子は映画好きで女優を目指していた話から、思わず『スケバン刑事』を連想した。

 しかも、その姉弟が幼いころに映画館で涙した作品が『二百三高地(1980年・舛田利雄監督)』で、マネージャーの川奈もその昔に子役として活躍していた設定。

 それらの作品に親しんだことがあれば、思わず笑ってしまう展開だ。

物語がロードムービーの展開になると、意外な方向に話が進み始め…。

 笑わせるだけではない。かなりトンチンカンな人物がハリウッド作品の監督として登場するが、それが終盤になって安易な映像演出への皮肉だとわかる。また、社会問題になっている“育児放棄”にも言及があった。

 本線の免許返納についても、南条の娘のセリフとして「人間の一生に関わることだから真剣な取り組みが必要」だと、しっかりとした主張が見て取れた。

 表面上はコメディでも、いくつかの社会の疑問がクローズアップされる点で、日本映画では数少ない硬派な作品と言えるだろう。

 

大女優で尾崎の元妻を演じる大地真央は、登場しただけでスクリーンが別モノになる存在感で…。

※この作品は6月19日(金)から、T・ジョイ博多、ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13、ユナイテッド・シネマ福岡ももち、TOHOシネマズ ららぽーと福岡 ほかで全国ロードショー公開されます。

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