【面彫師❷】「神の面を継ぐ」工藤省吾さん
2026年05月17日

古来から神々の伝説が宿る地、宮崎県高千穂町で、”夜神楽”は町の人たちによって大切に受け継がれてきました。
その神楽の舞手が神様になり切るために欠かせない神楽面は、面自体が神様として扱われ、古くは数百年も前のものが受け継がれてきました。
「天岩戸木彫」は高千穂において、神楽面を製作している唯一の工房です。
父の工藤浩章さんと息子の省吾さんの親子2人が、神楽面の職人として文化を伝えています。

省吾さんは神楽面彫師の後継者として幼少期から町中の期待を一身に受けていたそうです。
幼稚園の頃、先生が自分に描いてくれた絵が神楽面だったとき、この仕事をやっていくのだと初めて意識したといいます。
同じ面彫師だった祖父に、高千穂地域の神様を表現したものが神楽面であることを聞き、後継者としての自覚を育んでいきました。

「木の中に眠る神様を彫り出す」という父の境地とはまた異なりますが、完成した神楽面はいまの自分自身そのものが投影されていると省吾さんは感じているそうです。
だからこそ、自分自身らしい神楽面をつくるため研鑽を積んでいるそうです。
また、製作を続けながら、高千穂地域以外の人に向け神楽面を知ってもらう活動にも取り組んでいます。

省吾さんが未来に残したい風景は「天岩戸の風景」。
天岩戸神社を見渡せる高台が大好きな場所で、この地域一帯を全身で感じられる省吾さんのパワースポットなのだそうです。
「神々の里・高千穂」この地から動くことなくしっかり文化を継承する。
省吾さんにとってはただの風景ではなく、人生をかけて守っていきたい、そんな土地なのでしょう。