「碧の提案」(福岡県遠賀郡岡垣町)
2023年05月28日
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岡垣町の波津地区にある「碧のプロポーサー」で、作陶している吉田陽生さん。
沖縄の読谷村にある「やちむん」の窯元で修業を積み、岡垣町で開業。
やちむんの技術をベースに、個性あふれる陶器を作っている。
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屋号にもなっているように、「碧(あお)」に強いこだわりをもつ吉田さんは、「”あお”といっても色々あるから、陶器を通して色々な”あお”を提案したい」と話す。
その言葉通りに、工房には様々な”あお”を表現した作品があり、窓からは一面に広がる海の”あお”があった。
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やちむんは沖縄の方言で焼き物という意味で、沖縄で日用に使われる食器類のことを指すという。
そうなると、岡垣町で作っている吉田さんの陶器はやちむんと言い切ることはできないかもしれない。
ただ吉田さんは、やちむんの技術を活かして岡垣町の陶器を作りたいと話してくれた。
大事なことは、名前や肩書ではなく、そこで創作される陶器なのだ。
そんな強い意志を吉田さんから感じた。
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吉田さんが未来に残したい風景は「波津海岸」だ。
夕方に娘さんと訪れることが多いそう。陶芸に没頭する日々から一息つくためにも欠かせない場所だ。
海の”あお”と空の”あお”が、貝殻を拾う親子を優しく包んでいるように見え、これからどんな”あお”が岡垣町から発信されていくのだろうかと水平線を見ながら期待に胸が膨む。