「甘い研究」(福岡県飯塚市)
2023年10月15日
2014年、飯塚市にオープンした「カカオ研究所」。
連日、多くのお客さんで賑わう大人気のチョコレート店だ。
カカオ豆からチョコレートになるまで、手作りで一貫した製造を行っており、所長がベトナムから仕入れたカカオ豆を最高の状態で提供するため、日々、職人たちが研究を重ねている。
製造主任として働く平川さんは、海外からも評価の高いチョコレート「雲平」を製作した一人で、和菓子職人としても30年以上の経歴を持つ、「和」と「洋」を知り尽くした研究者だ。
カカオ研究所は2023年10月29日からは飯塚市八木山地区に移転することが決まっており、撮影日も新商品の開発にむけて腕を振るっていた。
世界的にも評価の高いカカオ研究所のチョコレート。
2020年には「雲平」が世界チョコレート品評会で銀賞を受賞している。
今後もベトナムのカカオ豆を中心に研究を重ねると話す平川さん。
新店舗にはお客さんが楽しめる仕掛けを用意しているそうなので、ぜひ足を運んで、職人のチョコレートを味わってほしい。
そんな平川さんが未来に残したい風景は「飯塚市のボタ山」だ。
子どものころに何十回も登ったボタ山は、新作の製作に行き詰まり、むしゃくしゃした時でも、雄大な緑が心を落ち着かせてくれる。
特に赤い欄干が目印の橋から見えるボタ山は、郷愁を誘うらしく、お気に入りなのだという。
60歳になり還暦を迎えた平川さん。
幼少の甘い記憶が、新たなチョコレートを生み出しているのかもしれない。