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「時を渡る白玉」(佐賀県佐賀市)

2024年11月03日

創業から142年、明治から続く老舗和菓子店「元祖吉野屋」の名物「白玉饅頭」は、佐賀の人に長く親しまれ、今や佐賀を代表する和菓子だ。
初代が考案した製法そのままに、脈々と受け継がれてきた変わらぬ味を六代目・吉村正則さんが守り続けている。

白玉饅頭の原料は佐賀県産の「うるち米」と「塩」、北海道産の「小豆」と「砂糖」のみ。
昔ながらのシンプルで素朴な饅頭だからこそ、ごまかしはきかない。
地元の米農家さんに作ってもらっている専用の「うるち米」は、石臼でついて自店で白玉粉を作る。
水加減、こね加減に細心の注意をはらい、日によって変わる湿度や生地の水分量で蒸し時間を調整する。
伝統の製法「二度こね二度蒸し」で、モッチリとした歯切れのよい食感を引き出すことができる。

140年以上にわたり受け継がれてきたのは何も製法だけではない。
長く庶民に愛されてきたその味は、ご家庭でも受け継がれ、懐かしの味を求めて三世代そろって買いに来るお客さんもいるという。
そんな姿を見て、思いをこめて「白玉饅頭」の歴史を次の世代に繋ぐ。

そんな吉村さんが未来に残したい風景は「與止日女(よどひめ)神社」。
「九州の嵐山」と呼ばれる景勝地「川上峡」にある神社で、嘉瀬川を挟んでお店の向かいにある「與止日女神社」はいつも見ているなじみの光景。

境内にある、子授かりや安産のご利益があるとされる自然石は、その昔、神功皇后の妹である「與止日女命」が、その石にふれ「白く、玉のような子を授かった」という伝説がある。
実は、その伝説が「白玉饅頭」の由来になっているという。
そんなご縁のある神社は、吉村さん、ひいては吉野家にとってのルーツである大切な場所だ。

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白玉饅頭 元祖吉野屋

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