MAP 閉じる

検 索 閉じる

番組検索

番組キーワードから探す

番組名から探す

KBCマップ

エリア

放送内容

「金とトゲ」(熊本県熊本市)

2025年04月27日

江戸時代初期に熊本県で誕生した肥後象嵌(ひごぞうがん)。
肥後象嵌とは地鉄に金銀をはめ込んで模様を表現する国指定の伝統工芸品だ。
昔は銃身や刀の鍔(つば)に施されていたそうだが、今では装身具が多くなったという。

30年近い経歴を持つ肥後象嵌師・稲田憲太郎光秀さん。
撮影日は刀の鍔に象嵌を施していた。
鍔の素材となる鉄をヤスリで削り、その表面にノミを打ち込んで線を出していくのだが、その感覚は1ミリ以下。
そうすることで、剣山のようなトゲが鉄の表面に出来上がり、金を装飾しやすくなるのだという。

金は、鹿の角を使ってはめ込んでいくのだが、この作業がとにかく繊細だ。
0.14ミリの金を、見た目では判別できないほどのトゲの間に沈めていく。
少しでもずれてしまうと、イメージしている模様にはならない。
だからといって、やり直しはきかない。
静かな空間に鹿の角を叩く音だけが響き、緊張感がみなぎる。

そんな肥後象嵌師・稲田憲太郎光秀さんが未来に残したい風景は「峠の茶屋」だ。
月に一度、稲田さんが観光で訪れた方々に向けた実演をしている場所で、文豪・夏目漱石の著書「草枕」ゆかりの場所でもあり、茶屋が再建されている。
室内は囲炉裏や五右衛門風呂などがあり風情が漂う。
まるで映画の中のような空間だなと思っていたら、映画監督のこの方も訪れていたのだと、それがわかるものが室内に置かれていた。
それが何で誰なのかは、ぜひ現地で探していただきたい。

MAP

峠の茶屋

過去の放送内容