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「白い金」(福岡県朝倉市)

2025年06月22日

1819年創業の廣久葛本舗は200年以上にわたり、本葛づくりを行ってきた。髙木久助さんは一子相伝と言われる廣久葛本舗の10代目だ。
伝統的な製法にこだわり、手作業にこだわって、本葛を製造している。
本葛の原料は寒根葛の根1kgから約70gしかとれないことから、本葛は「白い金」とも言われるほど。原料から抽出したデンプンを真っ白になるまで作業をすると、白く滑らかな葛の結晶が生まれる。

工程の見せ場は叩きの作業。
葛の中に空気が含まれていると発酵が進み味が落ちるので、髙木さんが中心となって両手で叩いて空気を抜いていく。
原料の状態に合わせて、叩く強さの調整に職人の勘が光る。
手作業だからこそできる細かい作業で、品質を上げることに魂をこめる。
昔ながらの作り方にこだわる分、作業自体は長くなる。
乾燥にいたっては約1年から1年半の期間をかけてゆっくりと水分を抜いていく。
手間と時間をかけることにより最高級の本葛ができあがるのだ。

また、時代に合わせた商品開発も欠かせない。
一般的に葛切りや水まんじゅうなど、和菓子店で夏菓子に使われることが多い本葛。
ところが、髙木さんがいま力を入れているのは洋風のスイーツだ。
いかに今の時代の人に親しんでもらえるか。
「変わらないために変えるんです」と髙木さん。
伝統を守りながら時代に合わせて葛の使い方を変化させることで、これからも老舗を続けていく道をさぐっているそうだ。

そんな髙木さんが未来に残したい風景は秋月の風景。
葛をつくるうえで、最も大切なものは水、空気、気温。
それらに毎日向き合っている髙木さんだからこそ秋月の自然への思いも強い。
九州中のカエルが生息しているといわれるほど、水生生物の宝庫である秋月。
九州大学と協力しながら在来生物を守る活動もしている。
また、秋月の山ではかつて天然の葛がとれていたが、人工林が増えたことで天然の葛をとることができなくなった。
「もう一度秋月で葛をとりたい。その葛で作りたいんです。」原生林を復活させることにも取り組んでいる。髙木さんの夢はさらに続いていく。

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㈱廣久葛本舗

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