「ガラスを操る」（福岡県筑後市）
2024年02月18日
昭和12年創業、今は「ガラスのコンビニを目指す」という理念のもと、理化学用ガラス分析器具やガラス体積計、オーダーメイドによる特殊ガラス器具などを製造する「㈱クライミング」。
機械での加工はもちろん、職人の手による高い加工技術を持ち、国内市場において高いシェアを誇る。
入社23年目の技術者である合嶋さんは、機械での加工作業でガラスの性質を学び、知識と経験を持ってバーナー加工の手作業へと就いた。
分析器具などは特殊な形状の物も多いことから、手作業によるバーナー加工は高い技術を要する。
寸法、大きさ、角度などを正確に加工した製品には、高い機能性を求められる。
手作業であっても、機械で仕上げたようにできるだけ同じものを作るように心がける合嶋さん。
ガラスを均等に焼く為の手の回し、バーナーの火加減、ガラスの焼き具合など、あらゆる情報をあらゆる感覚で受け止め、形にしていく。
とても難しい仕事だが、難しいからこそやりがいがあり、楽しいところでもあると笑顔で語る。
そんな合嶋さんが未来に残したい風景は「矢部川に架かる船小屋温泉大橋」。
「赤橋」の愛称で親しまれた「船小屋橋」が架け替えとなり、2002年に新しく生まれ変わった筑後市のシンボルの一つでもある。
学生時代、部活動帰りに川で泳いで遊んだり、花火大会に行ったりしていた思い出の場所。矢部川に架かる赤い橋、そして対岸には国指定の天然記念物のクスノキ林があり自然も豊か。ここに来ると昔を思い出し、心を元気にさせてくれる大切な場所だそうだ。