「木に触れる」(佐賀県佐賀市)
2024年02月25日
福岡県大川市と並び、家具業で栄えてきた佐賀市諸富町で、木で作った子供向けのおもちゃや雑貨などを製造販売している「飛鳥工房」。
約30年前に愛娘・飛鳥さんの笑顔が見たい、という思いで作った木馬がきっかけで、木のおもちゃを作るようになり、木の質感や木目を生かした色合い・香りなど「木のぬくもり」を感じられる商品として、子育て世代のママや子供から広く愛されている。
肌が傷つきやすい赤ちゃんでも安心して遊べるように、スベスベ、ツルツルに磨いた木と、口に入れても安心な植物由来の塗料を使用するなど、安全面においては十分に気を遣っている。
もともとは廣松さんの父の、家具のつまみや取っ手などを作る工場からスタートした為、小さな部品を研磨する技術があり、そこで培われた職人技が活かされている。
おもちゃ作りの原点である、娘のために作った第一号の木馬は、今でも店頭に飾られている。
木のおもちゃは、大切に使えば何十年と長持ちするため、大人になった時に、子どもの頃に感じたワクワクや懐かしい記憶が、木の香りを通してよみがえってくる。
親が使った思い出のおもちゃが子に引き継がれる。
そんな素敵なことを願って「誰もが幸せになるおもちゃ作り」に励んでいる。
そんな廣松さんが未来に残したい風景は「新北神社」。樹齢2,200年ともいわれる御神木
「ビャクシン」は龍が天に昇るように見える飛龍木として知られている。
毎年、初詣に参拝したり、お祭りに参加したり、新北神社の御朱印帳の製作にも携わったりと、廣松さんにとってはなにかとご縁のある神社。
町の人々に愛され、支えになっているこの場所こそが、自分のルーツともいえる風景であり、大切にしていきたいと心から思う場所だそうだ。