「日本酒×織物」福岡の伝統を九大生が企画 “使い継ぐ”ギフト『晴織Haori』【ふるさとWish】

成人を迎える時期に、大学生が親や感謝を伝えたい人へ贈る、温かい思いが込められたギフトが誕生しました。

企画したのは、九州大学芸術工学部3年生の小野塚ちとせさん。 実家が元酒蔵だったという小野塚さんは、福岡の伝統工芸やものづくりに魅了される一方で、ただ消費するだけでは、「モノを長く使い続けること」が難しいと感じていました。
「若い世代が“モノを使い継ぐ”には、どうしたらよいのだろう」と考えた小野塚さんは、福岡の伝統産業とタッグを組み、動き出したのです。

■創業100年超!筑後市の老舗『宮田織物』との出合い

小野塚さんがまず訪れたのは、筑後市にある1913年創業の『宮田織物』。「綿入りはんてん」が主力商品で、デザイン、織り、縫製までを一貫して行うこだわりのものづくりが特徴です。 『宮田織物』の「見えないところにも手を抜かない」という真摯な姿勢に、小野塚さんは深く感銘を受けました。
はんてんの需要が最盛期に比べ減少する中、織物に馴染みの薄い若い世代にも「愛着を持って使い継いでもらえるものを作りたい」という小野塚さんの熱意が、老舗織元を動かしました。

「112年培ってきた技術と若い人たちの感性が合わさって、どのようになるのか楽しみです」と、『宮田織物』の代表取締役社長の吉開ひとみさんは期待を込めて話します。

■八女の酒蔵『喜多屋』とタッグ!想いを込めたスパークリング日本酒

次に訪れたのは、八女市にある創業200年の酒蔵『喜多屋』。
小野塚さんには、自身の父が祖父と酒を酌み交わせぬまま死別されたという経験から、「お酒は親子が大人として向き合える最適なコミュニケーションツール」という強い想いがありました。

その想いに共感した8代目蔵元の木下理紗子さんは、「若い学生さんが日本酒にフォーカスを当ててくれて嬉しい」と快諾。 乾杯のシーンにふさわしい、華やかな「スパークリング日本酒」が選ばれました。 こうして、全く異なる伝統産業である「織物」と「日本酒」のコラボレーションが実現したのです。

■ついに完成!想いを包むギフト『Haori』

大学の友人たちと試行錯誤を重ね、完成したサンプルがついにお披露目されました。
商品名は、晴れの日に飲むお酒と織物から名付けた「晴織 Haori」。 『宮田織物』で余った生地やサンプル生地を活用し、お酒を「羽織る」ように美しくラッピング。 飲み終わった後も、布は風呂敷やハンカチとして使い続けることができるサステナブルな仕様です。完成品を見た吉開社長も「私ももらいたい!」と顔をほころばせた自信作。

モノや伝統を次の世代につなぐプロジェクト『継ぐモノがたり』が、ここから始まります。

小野塚さんは、「愛着を持って使い継ぐ体験をこれからも作っていきたい」と今後の活動にも意欲を見せてくれました。

伝統と革新が息づく福岡のものづくり。
若い世代が伝統に触れ、新たなものづくりに挑戦し続ける姿に期待が膨らみます。


『宮田織物』
福岡県筑後市羽犬塚375
0942-53-4550(公式通販サイト)
https://shop.miyata-orimono.co.jp/

『喜多屋』
福岡県八女市本町374
0943-23-2154
https://www.kitaya.co.jp/

※営業時間などは変更される場合があります。事前にご確認ください。
※九州朝日放送 2025年12月8日「地元応援live Wish+」の放送内容です。

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