写真:吉良さんが手がけた始まりの作品
川や海を流れ、長い年月をかけて削られてきた流木。大きくうねる枝、朽ちる過程で生まれた空洞や亀裂。その姿は一つひとつ異なり、同じ形のものは二つとありません。
そんな流木に光や花、鉱物を組み合わせ、新たな作品へと生まれ変わらせているのが、福岡・糸島を拠点に活動する『WOOD'ARBRE(ウッドラヴル)』です。
手がけるのは、株式会社TIME代表の吉良祐介さん。照明を中心に、一輪挿しや鏡、お香立て、アクセサリートレイなどを制作しています。
■海外の作品を見て「自分でもつくってみたい」
始まりは、吉良さんが海外の作家による流木照明を目にしたことでした。
当時は、家具やインテリアに詳しかったわけでも、ものづくりの経験があったわけでもありません。それでも、流木と光を組み合わせた作品を見た瞬間、心が動いたといいます。
「単純に、かっこいいと思ったんです。それで、自分でもつくってみたいなと」
当時、営んでいた店の前には海から流れ着いた流木がありました。それを拾い、必要な道具を一から揃えて、最初のシャンデリアを制作。電気工事に詳しい知人に構造を教わりながら、試作を重ねました。
完成した作品を最初に購入したのは、岡山県の美容室でした。
「自分がかっこいいと思ってつくったものを、同じように気に入って選んでもらえた。それはうれしかったですね」
■流木の中にある、作品の姿を探す
素材は海辺だけでなく、川の流れがある場所でも探します。枝の伸び方や大きさ、空洞の位置などを確かめながら選び、持ち帰った後は洗浄し、十分に乾燥させます。
「最初から照明や一輪挿しをつくろうと決めているわけではありません。流木を見ながら、『この形なら何になるだろう』と考えます」
大きく枝を広げたものならシャンデリアに。印象的な空洞があれば、内側から光がこぼれるペンダントライトに。
極端に切り揃えたり、色を塗って木肌を覆ったりすることは、ほとんどありません。作品に合わせて流木を整えるのではなく、流木が持つ形から次の姿を見つけていきます。
■光と影、鉱物が引き出す表情
照明作品では、コードが外から目立たないよう、可能な限り流木の内部に配線しています。
自然にできた空洞は複雑に曲がり、枝の細さも一定ではありません。どこからコードを通し、どこに光源を置くのか。一点ごとに構造を考えます。
灯りをともすと、空洞や枝の隙間から光がにじみ、乾いた木肌や不規則な輪郭が浮かび上がります。壁や天井に枝の影が広がるのも、流木照明ならではです。
一部の作品には、水晶やソーダライトなどの鉱物も使われています。
「木と石は質感が異なりますが、どちらも自然の中で長い時間をかけて生まれたもの。一つの作品にしても、自然になじむんです」
光を受けてほのかにきらめく鉱物と、乾いた流木の荒々しい質感。異なる自然素材が、互いの表情を引き立て合います。
■「かっこいい」という直感を、作品に
一輪挿しは、花を生けることで流木の枝ぶりがさらに広がって見えるように仕立てています。季節の花が加わるたび、作品の表情も変わります。
ほかにも、不規則な流木の曲線と端正なフォルムを組み合わせた鏡、鉱物をあしらったお香立てやアクセサリートレイなどを展開。作品は個人宅だけでなく、美容室や飲食店、サロンにも迎えられてきました。
照明として空間を照らすだけでなく、灯りをつけていない時間にもオブジェとして存在感を放ちます。
「流木そのものが、自然のつくったアートだと思っています。人の手では同じものをつくれない。その面白さを生かしたいですね」
ものづくりの経験がないところから始まった『WOOD'ARBRE』。吉良さんを動かしてきたのは、緻密な計画よりも「かっこいい」「面白そう」と感じる直感でした。
「自分がかっこいいと思ってつくったものを、見てほしい。写真だけでは分からない木肌や立体感、灯りをともしたときの陰影があります。まずは作品を見て、何かを感じてもらえたらうれしいですね」
自然が長い時間をかけて刻んだ造形と、それを「かっこいい」と見つめる吉良さんの感性。その二つが重なり、一つとして同じもののない作品が生まれています。
『WOOD'ARBRE』では、作品を実際に手に取れるPOP UPなどの活動も展開しています。最新情報は公式Instagramをチェックして、写真だけでは伝わりきらない流木の質感や立体感、光と影が生み出す表情を、ぜひ実際に見て、感じてみてください。
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■『WOOD'ARBRE(ウッドラヴル)』
Instagram: @woodarbre
https://www.instagram.com/woodarbre/
オフィシャルサイト:https://woodarbre.com/
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