ひと味ちがう、コーヒー。挑戦を育む街・飯塚で生まれた、『オアシス珈琲』の「きれいなコーヒー」(福岡・飯塚市)【まち歩き】

コーヒーに「きれいな」という形容詞をつけた人がいる。福岡県飯塚市の「オアシス珈琲」代表、石川高信さんだ。「生豆を洗う」という独自の製法を開発して特許を取り、今も新しい一杯を追い続けている。その挑戦の背景には、飯塚という街が育んできた気質があった。


■「豆を洗う」という発想

創業から十数年がたったころ。きっかけは、エチオピアの豆だった。袋から出すたびに、ほこりがふわっと舞い上がる。「これを洗えば、もっとおいしくなるはずだ」。石川さんはそう直感した。
ただ当時、豆を洗ってから焙煎する方法は一般的ではなかった。専門のメーカーに相談しても、コーヒーの洗浄には前例がなく、形にはならなかった。

「それなら、自分でするしかないなと思って」

ここから、石川さんの長い試行錯誤が始まった。

■すれ違った人たちが、道をひらいた

まず取り組んだのは、洗うことで本当に汚れが落ちるのかを確かめることだった。飯塚市の浄水場に頼んで、洗浄前後の水の汚れを測ってもらった。そのデータをもとに出願すると、わずか8か月で特許が認められた。
ところが、本当に難しかったのはその先だった。どうやって洗い、どうやって乾かすのか。コンクリートミキサーを使ってみたこともある。東京ビッグサイトの展示会を一日中歩き回っても答えは見つからず、帰ろうと振り向いた出入口で、一本のホースが目に入った。「豆を洗いたいんですが、できますか」。そう声をかけたことが突破口になった。

商標「きれいなコーヒー」も、偶然の出会いから生まれた。

幕張の展示会で試飲を出していたとき、ふと隣に立った人から声をかけられた。「いいことをしていますね。商標を取ったほうがいいですよ」。その一言に背中を押されて出願し、登録にこぎつけた。

「事業を前に進めてくれたのは、ずっと付き合いがある人じゃないんですよ。その時にちょっとすれ違った人が、応援してくれたり、アドバイスしてくれたり」

こうして完成した洗浄ラインは、世界でもここにしかないという。


■目指すのは「えぐみのない苦味」

淹れてもらった一杯は、見るからに透き通ったような、澄んだコーヒー色をしていた。口に含むと、えぐみがまったくない。すっきりとしているのに、苦味はしっかりと感じられる。
石川さんが考えるコーヒーのうまさは、まさにこの「えぐみのない苦味」にある。

「アイスコーヒーを何口か飲んで、シロップを入れて混ぜてみてください。苦味と甘みが、別々に感じられるんです」

雑味のあるコーヒーでは、シロップを入れると両方の味が濁ってしまう。コーヒーがクリアだからこそ、甘さがそのまま残る。それが「きれいなコーヒー」の証だと、石川さんは言う。

■店で味わう、きれいなコーヒー

石川さんのこだわりは、市内の店舗で気軽に味わえる。

ゆめタウン飯塚の食品館1階にあるテイクアウト専門店では、全自動コーヒーメーカー「xBloom」が一杯を淹れる。
挽く前の豆をそのまま入れた専用パックをセットすると、マシンが豆を挽き、蒸らし、抽出までを自動でこなす。湯が静かに円を描いて注がれる様子は、見ているだけでも楽しい。
買い物の合間には、コーヒーソフトクリーム(税込350円)もおすすめ。
インスタントでは出せない味を目指し、独自に抽出したエキスで仕上げた、ここならではの一品だ。

イートインでゆっくり過ごしたいなら、イオン穂波店へ。
電動ミルで豆を挽き、自分でドリップして味わうスタイルで、軽食と一緒にコーヒーを楽しめる。

■負けず嫌いを、磨いてきた

石川さんの原点は、飯塚駅前にあった市場だ。両親はそこで小さな惣菜店を営んでいた。石川さんも家業に携わっていたが、時代の変化を見据えて新しい道を探し始める。そのとき、コーヒー業界にいた親友が言った。「焼きたての豆を売ったら面白いよ」。その一言で、1986年、小さな焙煎所を始めた。
その親友に、こう言われたことがある。「お前は本当に負けず嫌いだ」。

「そう言ってくれるのは、身内しかいないですからね。それを磨いていこうと思ったんです」

気になることがあれば、長野でも釧路でも自ら足を運ぶ。「見ないとわからないから、とりあえず行く。それが、僕が今までしてきたことです」


■全国から人が集まった街の、挑戦する気質

なぜ飯塚では、こうした挑戦が生まれるのだろうか。取材の中で、石川さんは街の成り立ちについて熱く語ってくれた。
かつて筑豊の炭鉱は、日本のエネルギーを支えていた。その熱気に引き寄せられるように、全国から人が集まってきた。
さまざまな土地から来た人たちが、この街をつくった。だからこそ、新しいことに挑む人を認め、中途半端を許さない空気が育まれてきたのかもしれない。「豆を洗う」ことに挑み続けた石川さんの歩みは、この街の気質そのものに重なって見える。


■挑戦は、まだ終わらない

石川さんの頭の中には、今も次々と新しいアイデアが浮かぶ。
お客さんが焙煎の度合いを選び、その場で豆を数分で焼き上げる店。パン生地に混ぜ込めるほど細かいコーヒーの粉末。そして次は、コーヒーのドーナツだという。

「一つだけ徹底すればいいんですけどね。思いついてしまうから」

そう笑う顔は、まるで少年のようだった。

■思い出の場所で、今日も

ゆめタウン飯塚にある石川さんの店。その場所は、かつて親友と畑で藁を積んで遊んだ、思い出の土地だという。
全国から人が集まり、挑戦を重ねてきた街で、今日も新しい一杯が生まれている。ひと味ちがう、いいづか。その味わいは、一杯のきれいなコーヒーの中にも息づいている。

■「きれいなコーヒー」を、自宅で

石川さんのこだわりが詰まった一杯は、飯塚市のふるさと納税の返礼品としても味わえる。
「きれいなコーヒー ドリップバッグ(7種・105袋)」は、オアシス珈琲で人気のドリップバッグから、ブレンド5種とストレート2種を詰め合わせたセットだ。特許製法で汚れや渋皮を取り除いた豆を焙煎し、自社工場から直送している。お湯を注ぐだけで、自宅でもオフィスでも、アウトドアでも楽しめる。
華やかな香りのオアシスブレンド、深煎りでキレのあるヨーロピアンブレンド、果実のような味わいのキリマンジャロなど、その日の気分で飲み比べられるのも魅力。色とりどりのパッケージは、ちょっとした手土産にも喜ばれそうだ。

石川さんが追い続ける「えぐみのない苦味」を、ぜひ確かめてみてほしい。

★特許製法★きれいなコーヒードリップバッグ(7種・105袋)
寄付金額:15,000円以上
内容:オアシスブレンド、クィーンブレンド、モカブレンド、スペシャルブレンド、ヨーロピアンブレンド、グァテマラ、キリマンジャロ(各8g×15袋)
特設サイト:https://furusato-iizuka.jp/goods/detail.php?id=f38b486928bb5061bb61486fe041c6f7


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■『オアシス珈琲』本店
住所:福岡県飯塚市堀池133-9
電話:0120-064-666
営業時間:9:00-18:00
定休日:土・日曜
HP:https://oasiscoffee.co.jp/

「ゆめタウン飯塚店」(oasiscoffee × xbloom)
住所:福岡県飯塚市菰田西3丁目6-1 ゆめタウン飯塚1F
電話:070-9272-7188
営業時間10:00〜20:00(L.O.19:30)
定休日:なし

「イオン穂波店」
住所:福岡県飯塚市枝国長浦666-48
電話:0948-26-1739
営業時間:9:00〜20:00(フード19:00、ドリンク・物販19:30まで)
定休日:なし
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■ オアシス珈琲

住所:福岡県飯塚市堀池133-9
『オアシス珈琲』HP

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