長兜の秘密
2025年05月17日
[熊本県]
甲冑コレクション(3)

熊本で今なお愛される武将・加藤清正。
そのシンボルともいえる長~い兜には、ある秘密が。
熊本博物館には、忠実に復元された加藤清正の甲冑が展示されています。蛇の目をモチーフにしたという蛇の目紋をいたるところにあしらった色彩美も目を引きますが、何より存在感を示しているのが天に届くかのように伸びた兜です。
熊本博物館 木山貴満学芸員
「何よりも目立つのは長烏帽子兜です。集団戦の中で自分の武功をアピールする意味や、配下の者たちにとって大将の目印になる役割があったのではと思います。」
幕末に描かれたとされる清正の肖像画。そこにも兜が鎮座しています。当時から武将・加藤清正の象徴として知られていたことが伺えます。
とはいえ、素人目にはこんなに大きな兜では戦場で動きづらかったのでは?とも思えてしまうのですが…
熊本博物館 木山貴満学芸員
「鉄製の内鉢の上に和紙を貼りかけたもので長烏帽子を表していまして、見かけよりは軽い素材になっています。」
なんと長く伸びた部分は和紙を貼り合わせて作られ、見た目に反して軽く、実用性も伴っていたようです。
実際、あの戦にもこの兜で参戦していたといわれています。
その姿が絵図に残っていました。