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エリア

時代を歩く(大分県日田市)

放送内容

2022年04月24日

大分県日田市は面積の80%以上が森林で占められている。
また昔から林業が盛んで、今でも林業の歴史を紡いでいるひとつが「日田下駄」だ。
地元の杉を使って作られる日田下駄は履き心地がよく、全国に愛好者が多い。

本野はきもの工業3代目・本野雅幸さんは、日本の下駄業界に新たな風を生み出している有名なアイデアマンだ。
アパレル業界や映画業界など、他業種も注目されており、若い人を中心にキャンプ用の下駄などでも人気を集めている。

日田下駄の特徴に、木目の美しさがある。
それを最大限に発揮するのが、昔から伝わる「神代焼き」という技法だ。
下駄の台となる杉の木を一度、焦がしてから削ることで、木目の固いところは焦げた黒色の線が残り、年輪が浮かび上がる。
まるで呼吸をしているかのようなデザインだ。

そんな本野さんが未来に残したい風景は「三隈川」。
店舗の前には三隈川があり、平日は毎朝写真を撮っているという。
5年ほど前からはじめたルーティーンだ。
三隈川は、日田下駄とも深い関りがあるという。
昔、トラックが無かった時代、木材を運搬するのは三隈川だった。
川の流れが木材を運び、職人に届けられる。
三隈川がもしもなかったとしたならば、日田下駄の伝統は途絶えていたのかもしれない。

心地よい三隈川の音に、子どもたちの笑い声が町に響く。
日田市は自然が似合う町だと思う。
下駄を履いた本野さんが川沿いを歩く。
それは「カランコロン」という音ではない。
生活の中で進化してきた日田下駄の音は、聞いたことがないようで聞いたことがある時代を繋ぐ足音だ。

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