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過去の災害に学び、どう備えるか その3

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2024年07月31日

(太田)「KBCラジオ みんなで防災!」KBC解説委員の太田祐輔です。

(百市)百市なるみです。

(太田)毎週この時間は、あなたの命を守る防災について考えていきます。

今週は「過去の災害に学び、どう備えるか その3」をお送りします。

(太田)過去の災害の記録を掘り起こし、「まさか」ではなく「いつか」発生することを前提に防災に取り組むことを提唱している九州大学工学研究院 環境社会部門の西山 浩司助教のお話をお届けしています。
先週は1720年享保5年7月に現在のうきは市付近で起きた豪雨災害について、「壊山物語」という記録が残されているというお話を聞きました。
我々はその壊山物語からなにを教訓にしなくてはいけないのでしょうか?

(太田)「壊山物語」に書かれている悲惨な災害の様子ですよね。
しかもその耳納山全体がこう土砂崩れが起こってしまうというそういう状況を記録した「壊山物語」を見た時に、我々は何を教訓にしなきゃいけないという風に考えますか?

(太田)まずですね、繰り返し起こっているということです。
300年前に起きて、今回も起きました。実はその間にも過去に3回ぐらい起きているのです。小さいのが、繰り返し起きている。ということは、これからも起きるということです。
だからそういう地域だよということを知ってもらいたいということ、それを強く認識することが一つ大事かなというのがあります。
で、もう1つはですね、人間の人生ってだいたい80~90年ぐらいですよね。
その間に経験しない可能性の方が高いのですよね。300年くらい前に起きているわけですよね。だから自分は経験してないから大丈夫だと、どうもそう思い込む人が多い、どの地域そうで私が生きている間に起こってないのだから大丈夫じゃないかと。
違うのですよ。過去にさかのぼっていくと起こっているわけですね。ということはやはり、自分の経験に頼らないようにしないといけないということですよね。
経験に基づく防災はダメだということです。だから経験してなくても、「ちょっと待てよ、過去に何かないか、いやあったな。ということは、自分は経験してないけど、これあるかもしれない」と。
もうそれを十分認識した上でその地域の防災というか、その地域でどうやって命を守っていくかということを考えてもらいたいなと思っているところですよね。そこが大きな常に考えているポイントですよね。

(太田)この間大丈夫だったから今度も大丈夫だろうって、本当に思いがちですよね。

(西山)いや、思いがちだし、思いたいのですよね。

(太田)でもそこに落とし穴があって、冷静に過去に起こっているのだからということを冷静に分析した上で 我々はそれを教訓にしなきゃいけないと。

(西山)そうですね。結局どういうことかと言いますと、「まさか」ここで起こるとは思わなかったっていう言葉になっていくのですね。つまり、災害っていつか起きるのです。
「いつか」起きる、「まさか」ではないのです。
頭の中で「まさか」を「いつか」に変換して欲しいのですよね。

(太田)それがまさに「壊山物語」から学ばなきゃいけないということですね。

(西山)この地域はもう災害の歴史があるわけですよね。ということは、あるということは起こったことも確実なのですよ。
だからもうそこを認識すれば、もう経験に基づかなくても防災できるのではないかなと思うのですよね。

(百市)経験していないから大丈夫でもないですし、経験していないから知らなかった準備できなかったでもないのですよね。しっかり記録が残っているわけですから、この過去に起きている事実とそして残してくれた教訓というのをしっかり受け止めなくてはいけないなと思いました。

(太田)「壊山物語」ってやっぱり、過去の人がこういう災害が起きるのですよとこれはもう後世に伝えなきゃいけないっていう我々世代への「ラブレター」みたいなものなのですね。想いのこもった文章なのです。そういうのをしっかり受け止めて、西山先生がおっしゃったように「経験がないから大丈夫」ということや、経験に基づいた防災ではなく、いつか起こるのだという前提でいろんなものに備えなきゃいけないと。このメッセージ、しっかり受け止めたいなと思います。

(百市)KBCラジオみんなで防災
今週は「過去の災害に学び、どう備えるか その3」をお送りしました。
太田さん、来週は?

(太田)過去の災害の記録を残した自然災害伝承碑にスポットをあてます。

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