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【かまぼこ職人❷】「市場の温もりを未来へ」森尾泰之さん

放送内容

2025年12月07日

大正9年(1920年)に創業して以来、100年以上の歴史を持つ「小倉かまぼこ」。
現在の社長である森尾泰之さん(41)は、令和元年に会社を継いだ4代目です。
一度は別の道に進んだ泰之さんでしたが、地元を離れて仕事をする中で、実家の仕事や家族の繋がりの大切さを痛感し、地元に戻りました。
当時、先代で父の和則さん(77)は、店をたたむつもりで事業を縮小していたそうですが、「息子が帰ってくるなら、もうひとがんばりしよう」と奮起されたそうです。

昔からお正月や婚礼の品として欠かせないかまぼこ。
かつては小倉中の結婚式場から注文が途切れることがなく、手が腱鞘炎になるほど忙しかったといいます。
今でも「最高級のかまぼこを」という思いで、ひとつひとつ手作りで作り続けています。
「最高級のかまぼこ」を持続するために最も大切なのが、すり身作り。
すり身の質、気温、湿度、加える材料の量、すべてに気を配らないと、美味しいかまぼこはできません。
これらをコントロールするのがまさに職人の腕の見せどころ。
泰之さんは、まだ町内が薄暗い早朝から、すり身の仕込みに魂をこめています。

旦過に戻ってきた当初は、素人ながらも、もっと効率の良い製造方法を模索し改革をめざす泰之さんと、職人として伝統の製法を守ってきた和則さんの間で、衝突が絶えなかったそうです。
しかし、泰之さんのかまぼこ作りに打ち込む姿を日々見ているうち、さらに「親父、これからは俺がすり身をするから。教えてくれ。」という泰之さんの言葉で、和則さんは「あぁ、彼は一人前になったな」と感じることができたといいます。
多くの人たちから愛されてきた小倉かまぼこ。
そして父、和則さんが大切にしてきた旦過市場。
泰之さんは、旦過市場の賑わいが100年後も続くように、そして旦過市場を訪れる人々から、これからもずっと愛される小倉かまぼこを作り続けていこうと決意しています。

泰之さんが未来に残したい風景、それは「旦過市場」です。
2度にわたる火災は、泰之さんだけでなく市場全体に大きなダメージを残しました。
「本当に息がつまるというか、こんな悲しいことは二度と起こってほしくない」と当時を振り返ります。
また、市場立て替えのタイミングで、長く続いてきた小倉かまぼこの旦過店は、2026年3月に取り壊される予定です。
店がなくなるのは寂しいが、新しく建て替わる旦過市場が100年後も続いていくためには、今が一番いいタイミングなのだそうです。
「旦過市場の対面販売という形はこれからも守っていきたい。買う・売るだけじゃない、プラスアルファのことが市場にはあるんです。」市民と繋がり続けてきた旦過市場に、今なお残る温もりをこれからも守るため、泰之さんは今日も店頭に立ち続けているのです。

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