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【甲子園への道 福岡】「今変わる」を合言葉に創部34年目の初シード 県立城南高校、選手主導の「考える野球」で甲子園目指す

高校野球

2026年06月30日

夏の全国高校野球福岡大会がまもなく開幕。

131チームの頂点を目指す戦いの中で、ひときわ注目を集めているのが、創部34年目にして初のシード権を獲得した県立城南高校だ。

強豪私立がひしめく中、彼らが躍進を遂げた秘密は「主体性」。

選手たちが自ら考え、データを駆使して戦う「城南野球」の強さに迫る。

■「大人が聞いても唸る」監督も驚く選手主導のミーティング

練習前のグラウンド。

そこに監督やコーチの姿はない。

城南高校では、練習前の円陣やミーティングは選手たちだけで行われる。

その日の練習テーマから大会の課題まで、すべて選手たちが自ら考え、意見を交わし、共有するスタイルだ。

この選手主導の姿勢について、中野雄斗監督は「すごいなと思います」と感心しきり。

「選手たちが言う言葉、野球の戦術的なことはもちろん、チームのあり方や越えなければいけないことに対するコメントの質は、大人が聞いても唸るようなコメントをするんです」と、そのレベルの高さを語る。

■合言葉は「今変わる」!対戦相手を丸裸にする”魔法のノート”

選手たちの手には、常にノートが握られている。

そこには、対戦した投手の特徴がびっしりと書き込まれている。

決め球の割合、球種ごとの軌道、クセに至るまで、徹底的に分析。

集めたデータはすぐにチームで共有され、試合中も刻一刻と変わる状況に合わせて作戦を変化させていく。

この「考える野球」を象徴するのが、ノートの表紙に書かれた「今変わる」という合言葉だ。

相手だけでなく、自分たちのプレーも客観的に分析し、常に改善を求める。

この探求心こそが、城南躍進の原動力となっている。

■「兄たちの思いも背負って」三兄弟の夢を託されたエース・堀江投手

チームを牽引するエースの堀江悠真投手。

実は彼、城南野球部OBの間ではちょっとした有名人だ。

5歳上の長男、3歳上の次男も城南野球部出身。

届かなかった甲子園の夢を、兄2人から託されている。

「兄たちも悔しい思いをしていると思うんで、その思いを自分が一番下なので、晴らせるように」と、静かに闘志を燃やす堀江投手。

仲間たちがノートに集めた膨大なデータは、彼の投球にも活かされている。

■「強豪私立がやらないことで日本一を」文武両道で目指す夏の頂点

堀江投手は、自分には超高校級といわれる球速や変化球はないと冷静に分析する。

だからこそ、データ班からの指摘を力に変える。

「曲げる球を投げるときに手が横から出ているとか、モーションが前に倒れちゃっているとか、そういう指摘をしてもらえる。もっと良くするには、という向上心が生まれる」と語る。

中野監督も「泥臭く一生懸命やる子たち。そういう突き抜ける力みたいなのがうまくかみ合って、今前に進みだしたのかな」とチームの成長に手応えを感じている。

堀江投手は力強く宣言した。

「自分たちは勉強もやって野球もやる。両立するのが良さ。強豪の私立がやらないようなことで日本一を取ったほうがすごみもあると思う。そこを成し遂げられる夏の大会にしたい」。

主体性を武器に、初のシード権を掴んだ城南高校。

この夏、福岡の高校野球に新しい風を吹かせることができるか、その戦いから目が離せない。

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