【甲子園への道 福岡】「もっと汚れたユニホームを洗いたかった」母の涙が物語る、筑前高校主将の泥臭く戦い抜いた夏
高校野球
2026年07月08日

夏の高校野球福岡大会で、選手宣誓の大役を務めた筑前高校の小河航(おごう わたる)キャプテン。
宣誓で誓った「ゲームセットの瞬間まで泥臭く」という言葉を最後まで貫いた姿と、彼を支え続けた家族の物語がありました。
■「ゲームセットの瞬間まで泥臭く」3日遅れで果たした選手宣誓の大役

選手宣誓のくじを見事引き当てた、筑前高校の小河航キャプテン。
雨による3日間の順延を経て、ついにその大役を果たす日がやってきました。
家族が見守る中、小河キャプテンは「私たちは憧れの聖地、甲子園という大きな夢に向かって、日々の練習に励んできました」と力強く宣誓。
「誰よりも近くで応援してくれた家族への感謝を胸に、この夏の舞台で、一球一球にすべての思いを込め、ゲームセットの瞬間まで泥臭く、この夏をどこよりも熱いものにすることを誓います」と、全選手を代表して決意を述べました。
■「100点満点です」母と祖母が流した涙

堂々とした宣誓を終えた息子に、スタンドで見守っていた母・美沙さんは「100点満点です」と満面の笑み。
祖母の早苗さんも「よく頑張りました」と、あふれる涙をぬぐいました。
家族の大きな愛に支えられ、小河キャプテンは集大成の夏に挑みます。
しかし、初戦の相手・明善高校との試合は序盤から苦しい展開に。
小河キャプテンの最初の打席も、外野フライに倒れてしまいます。
■「楽しもう、楽しもう」ピンチでエースを鼓舞した主将の言葉

5回、エースの瀧聞佑太投手がピンチを招くと、マウンドに駆け寄った小河キャプテン。
「ピンチのときとか、みんなに楽しもう楽しもうと声掛けできた」と語るように、笑顔でエースを鼓舞します。
この声掛けに応えるように、瀧聞投手は後続を打ち取り、ピンチを切り抜けました。
瀧聞投手は161球を投げて10奪三振と力投を続けますが、打線が繋がりません。
■執念の初ヒット!そして…最後の打席に立った主将のヘッドスライディング

0-6で迎えた8回、チームはここまでノーヒット。
しかし、代打で登場した3年生の前田慧選手が、チーム初ヒットを放ちます。
スタンドが一体となって盛り上がり、この試合初めてのチャンスを作りますが、後続が倒れ得点には至りません。
そして、9回裏2アウト。
最後のバッターとして打席に立ったのは、キャプテンの小河選手。
内野ゴロに倒れるも、一塁へ気迫のヘッドスライディング。
願いは届かずゲームセットを迎えますが、
選手宣誓で誓った「泥臭さ」を最後まで貫き、3年間の野球生活に幕を下ろしました。
■「もっと汚れたユニホームを洗いたかった」母の涙と、主将が誓った未来
試合後、選手たちの目には涙があふれます。
息子の戦いを見届けた母・美沙さんは「もっともっと汚れたユニホームを洗いたかった」と涙ながらに語りました。
主将としてチームを率いた小河選手は、「悔しいです。高校でやり残したことがたくさんあるので、野球は続けたい。野球は好きです」と、涙をこらえながらも前を向きました。
泥にまみれたユニホームは、彼が全力で駆け抜けた熱い夏の証です。

