【甲子園への道 福岡】最後の夏、ベンチ外の主将・宗田輝。スタンドから届けた“全力エール”と仲間への感謝
高校野球
2026年07月13日

夏の高校野球福岡大会で、ベンチ入りを逃した博多工業高校の主将・宗田輝(そうだ ひかる)選手。
彼は悔しさを胸に、スタンドから誰よりも大きな声で仲間を鼓舞し続けました。
■「悲しい気持ちになった」最後の夏ベンチ叶わず…それでも主将が前を向いた理由

博多工業高校野球部の主将を務める宗田輝選手。
しかし、最後の夏、ベンチ入りは叶いませんでした。
メンバー20人が発表された瞬間を、宗田選手は「悲しい気持ちになった」と率直に振り返ります。
それでも彼は下を向きませんでした。
「キャプテンとして自分が前を向かないとみんなが前を向けないので」。
悔しい現実を受け入れ、チームのために自分ができることを全力でやる。
その決意を胸に、彼はキャプテンとしてグラウンドに立つ仲間のサポートに徹しました。
■「ベンチとスタンド、チーム一丸」主将の姿に誓う“全員野球”

主将の献身的な姿は、チームメイトの心にも深く響いていました。
副キャプテンの吉山晴真選手(『吉』は冠が『土』)は、
「ベンチに入れなかった人たちもチームの一員だと思っているので、ベンチからもスタンドからも全員で野球ができるようにしたい」と仲間たちの思いも背負って戦う覚悟を持っていました。
■強豪相手に苦境のチームに響く主将の“魂の叫び”

迎えた南部大会3回戦、相手は強豪・福大大濠。
博多工は1回、1番・前田輝年(あきとし)選手のツーベースヒットなどでチャンスを作りますが、あと一本が出ず、先制点を奪えません。
その後は相手エースの前に打線が沈黙し、苦しい展開が続きました。
そんな中、スタンドから誰よりも大きな声が響き渡ります。
メガホンを握りしめ、声を枯らしてエールを送り続ける宗田主将。
「自分のやることは一つしかないと思っているので、そこは負けない」
彼の声は、グラウンドで戦う仲間たちの背中を押し続けました。
■7回コールド負け…試合終了のサイレンと、あふれ出す涙

7点を追う7回。
あと1点でも取らなければコールド負け。
先頭の熊坂選手がヒットで出塁し、望みを繋ぎますが、あと一本が出ず、試合終了。
博多工業の夏は、7回コールド負けという形で幕を閉じました。
試合が終わると、宗田主将はスタンドから真っ先に仲間の元へ駆け寄りました。
泣き崩れる選手たちの肩を抱き、グラウンドで戦い続けた仲間たちにそっと寄り添い、優しく語り掛けました。
そんな彼の目からも、こらえきれない思いがあふれていました。
■「キャプテンが宗田で良かった」涙で交わした感謝の言葉
試合後、宗田選手はキャプテンとして、チームメイト一人一人に声をかけます。
「ベンチで声をかけてやれなくてごめん」
自分の分まで戦ってくれた仲間への感謝と、そして申し訳なさが口をついて出ます。
そんな彼に、仲間たちは「応援の声は聞こえていたし、キャプテンが宗田で良かった」。
涙ながらに交わされる感謝の言葉。
背番号はなくても、彼は紛れもなくチームの中心にいた最高のキャプテンでした。

