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【板金職人➋】「自分だけの品物を」吉岡英弥さん

放送内容

2026年09月20日

「みんなと同じものを作っても面白くない。自分だけの品物を作りたい」と語る板金職人の吉岡英弥さん。
その言葉には、職人としての確固たる哲学が込められています。
1枚の金属板に叩く・曲げる・ハンダ付けする工程を幾度も重ね、 造形美と実用性 を兼ね備えたジョウロへと昇華させていきます。

18歳で家業の板金業に飛び込んだ吉岡さん。
折りからの住宅建設ブームも重なり、屋根や外壁を手掛ける建築板金職人として多忙を極める毎日でした。
しかし、次第に「自分の段取りで仕事ができない」という葛藤を抱えるようになります。
「こだわり」を追求したいという強い思いが、吉岡さんを建築板金からオリジナルの物づくりへと向かわせました。
こうして、現在のジョウロ作りのスタイルが確立されたのです。

54年にわたる職人人生で培われた技術ですが、今のところ後継者は見つかっていないそうです。
「本気で覚える気があるなら教えます」と門戸を広げる一方で、「私は人に教えるのが下手ですから」と謙遜します。
その言葉の裏には、技術を伝える難しさと、ただひたすらに目の前の仕事に向き合ってきた職人の実直さが滲み出ています。

吉岡さんが未来に残したい風景は、大分県佐伯市にある「豊後二見ヶ浦」です。
海に浮かぶ夫婦岩を、長さ約65m、重さ約2tにもなる巨大なしめ縄が結んでいます。
この大しめ縄は、年に一度、地元の有志たちの手によって張り替えられます。
その雄大さと地域の伝統を守り続ける人々の姿に、吉岡さんも深く共感しているそうです。
それは自身の物づくりへの姿勢と、故郷の文化を守る人々の姿が重なる、特別な風景だからなのです。

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