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「公平」と「平等」は違う。災害支援のプロ、赤十字の医師が熊本で感じた被災地の底力

番組で紹介した情報

2026年10月14日

【 毎週水曜日午後0時40分からは地域リポーターが街の話題を発信する「発信!GT-R」あるいは防災について語る「KBCラジオみんなで防災」をお送りしています。
担当するのは防災ネットワーク主幹のKBC太田祐輔解説委員です】
今月の「みんなで防災」では、災害発生時にいち早く現場に駆けつけ活動を行う日本赤十字社福岡県支部の活動を紹介します。

今回は、福岡赤十字病院の外科医・松田圭央先生をスタジオにお迎えし、今年7月の豪雨で被災した熊本での支援活動や、海外での医療救援活動についてお話を伺いました。

■被災から3週間、熊本で見た「前向きな底力」

福岡赤十字病院の外科医であり、国際医療救援課にも所属する松田圭央先生。

今年7月の豪雨災害後、8月15日から4日間にわたり、熊本県の八代市や氷川町で支援活動を行いました。

発災から3週間近くが経ち、避難所での生活に疲れが見え始める時期でしたが、松田先生は現地で意外な光景を目の当たりにしたと言います。

松田先生:「ちょうど疲れも出てくる頃ですよね。同じ食事とか、水が出ない生活とか、そういうのに疲れてきていて。でも、それにもかかわらず、少しやっぱり前向きな気持ちをおっしゃる方が意外と多くて。それにちょっと今回はびっくりしたというか、すごい底力だなっていう風に感じましたね」
太田:「先生は赤十字病院でいろんな被災地の支援活動もこれまでもされてきてる。以前お話を伺った時には能登の災害支援の時のお話をしていただいたんですが、その時とやっぱり違いましたか?」
松田先生:「そうですね。10年前にやっぱり熊本は(熊本地震という)大きな地震を経験していて。前回被災した場所と八代は少し離れてはいますけれども、やっぱり熊本で自分たちに起こったことだって、自分ごととして皆さん捉えてて、ある程度こう、心の準備であるとか、心理的な準備とかもちゃんとしてたっていうのがあるのかなっていう風には思いましたね」
過去の大きな災害の経験が、住民の心構えに繋がっていたのではないかと松田先生は分析します。

■外科医、そして国際医療救援のプロとして

松田先生は国内の災害支援だけでなく、海外での医療救援活動にも豊富な経験を持っています。

その活動はアフリカのジンバブエやウガンダ、さらには中東レバノンのパレスチナ難民キャンプにも及びます。

ウガンダでは外科医として手術を執刀し、レバノンでは難民キャンプ内の病院で医療の質の向上を支援するなど、その活動は多岐にわたります。

そもそも、なぜこのような活動に身を投じるようになったのでしょうか。

太田:「先生、元々そういうことがやりたかったんですか?」
松田先生:「元々そうですね。医者になった理由としては、やっぱり海外支援っていうものに非常に興味があって。で、医療っていうのは世界共通なのかなと思って、手に職を持っておこうっていうので医療を選びました」
太田:「国際的にいろんなことで困ってる人たちを助けたいという思いがあって、お医者さんになり、そして赤十字病院でそういう活動を今されてるという感じですかね」
松田先生:「そうですね。やっぱり赤十字はそういうところをメインにして、またその帰って力を蓄えながら日本の仕事もできて、で、必要な時にまた海外で活動できるっていうのが強みかなと思いまして、赤十字を選択した感じですね」
日本赤十字社には、松田先生のように国内外で人々を救いたいという志を持つ医師や看護師、技術者などが多く所属しており、全国の赤十字病院や支部が連携することで、いざという時に大きな力を発揮できる体制が整っています。

■「自分がやりたいから」ではない。支援で最も大切なこと

豊富な支援経験を持つ松田先生は、活動において最も大切なのは「相手に寄り添うこと」だと語ります。

使命感に燃えて「何かしてあげたい」という気持ちが先行するのは、必ずしも良い結果を生まないと言います。

松田先生:「私がしたいからするわけじゃなくって、必要としている人の、ベストタイミングで必要なボリュームで、ちゃんと支援ができるように、やっぱり相手を見て考えないといけないかなと思っています。赤十字の精神として『公平』っていうのがあるんですけど、公平ってすごく大事で、平等とも違う。
みんな一緒である必要はなくて、この必要としている人がどれぐらい必要なのかっていうのをちゃんと考えて、手を差し伸べる。過剰でもなく不足でもなくっていうのを、まあ、考えていかないといけない支援、あの、活動なのかなって思います」
太田:「まさに何かこう、使命感に燃えてやるっていうと、行ってなん圭央しなきゃみたいな気持ちになるんですけど、それじゃダメなんですね」
松田先生:「そうですね。やっぱり相手がいて。で、相手はもしかしたら自分だったかもしれないって考えないといけないと思うんですよね」
支援とは、独りよがりなものではなく、あくまで相手のニーズを正確に把握し、適切な量とタイミングで届けること。

この「公平」の精神こそが、赤十字の支援活動の根幹にあるのです。

このような日本赤十字社の活動は
活動を支える方の寄付によってなりたっています
詳しいことは日本赤十字社福岡県支部のHPをご覧ください。

【https://www.jrc.or.jp/chapter/fukuoka/】

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