福岡でも和解「人生で忘れられない日」旧優生保護法訴訟
福岡|
10/28 20:32
旧優生保護法のもとで不妊手術を強いられたのは憲法違反などとして、福岡県内の70代の夫婦などが国に損害賠償を求めた裁判で、国は福岡県内の原告らと和解しました。
訴えを起こしているのは、福岡県内に住むいずれも聴覚障害がある2組の夫婦です。
旧優生保護法のもとで、不妊手術を受けさせられたとして、国に損害賠償を求めていました。
28日にはそれぞれの弁論が福岡地裁と福岡高裁で開かれました。
国が示した和解条項には、「被害者の心身に長年にわたり多大な苦痛と苦難を与えてきたことを真摯に反省し、原告らに対し、心より深く謝罪する。また、国の主張により、本件訴訟の解決を遅らせた旨の指摘を重く受け止め、原告らに多大な負担をかける結果となったことについても心より深く謝罪する」などの内容が盛り込まれました。
また、国が慰謝料を含む和解金として約1800万円〜約2000万円を支払うことで、和解が成立しました。
和解後の記者会見で、原告の女性の1人は、「苦しくて悲しくて川に身を投げようと思ったこともある。私は本当に子どもが欲しかった。きょうの和解で、聞こえない私たちにも人権があるということを実感した。きょうは人生で忘れられない日」などと手話を用いてコメントしました。