宗像市「神宿る島」沖ノ島で新発見 国宝をX線撮影
福岡|
06/10 18:52
福岡県宗像市の「神宿る島」沖ノ島で新発見です。
70年前に出土した国宝を、X線撮影などで解析。
その結果を10日、県や宗像大社などが明らかにしました。
今回解析されたのは、沖ノ島で1954年に出土した国宝「金銅製矛鞘(こんどうせい・ほこさや)」です。
金銅の鞘の中に鉄矛(てつほこ)が収まっているという、他に例のない特徴を持っていますが、鉄矛は納まったままとなっていて、これまで実態解明が進んできませんでした。
今回行われたX線撮影などによる解析の結果、別の金属をはめ込む「象嵌(ぞうがん)」と呼ばれる工芸技法が、鉄矛全体に施されていることが新たに分かりました。
解析にあたった研究者の一人で奈良県立橿原考古学研究所の水野敏典課長は、「東アジアを見渡しても、突出した優品であると言えるかと思います」、宗像大社の神島亘禰宜は、「最先端の今回の技術で、新たな発見があったことは非常に大きな成果」と話しています。
「金銅製矛鞘」は、沖ノ島での祭祀のためにヤマト政権が特別に作ったものとみられ、専門家は「ヤマト政権が沖ノ島の祭祀を、いかに重視していたかをうかがわせる」としています。
「金銅製矛鞘」は、14日(土)から8月31日(日)まで、宗像大社神宝館で特別公開されます。