お父さんの新たな挑戦!佐賀の夜空を彩る手筒花火
福岡|
08/12 20:00

佐賀市大和町の夏を熱く彩る「川上峡花火大会」。川上峡を舞台にしたこの花火大会は、50年以上にわたり地元の人々に親しまれてきました。
目玉は、豪快な火柱を吹き上げる「手筒花火」です。愛知県豊橋市発祥で、五穀豊穣や無病息災を願って奉納されるもので、大和町では2018年、有志による「肥前大和手筒組」が結成され、今年で8年目を迎えます。
【花火大会の変化と手筒花火の導入】

背景には、時代とともに変わる花火大会の事情があります。消防の規制や住宅の増加で大きな打ち上げ花火が難しくなり、「それならば迫力ある伝統花火を」と取り入れられたのが手筒花火でした。
火の粉を浴び、まっすぐ構える姿は勇壮そのもの。地域の若者に伝統を受け継ぎたいという思いも込められています。
【37歳、新人“揚げ手”の挑戦】

そんな舞台に今年初めて立つのが、37歳の相原浩徳さん。小学校の同級生が手筒花火を上げる姿に憧れ、1年間の見習い期間を経て“揚げ手”に選ばれました。家族に「普段見せられない姿を見せたい」と意気込み、自宅でも筒を持って練習を重ねます。妻の真理さんは「衣装をもらったときは喜んで帰ってきました」と話し、12歳の娘・千夏さんも応援します。
【小雨の中、迎えた本番】

本番当日、朝から小雨が降る中、川に設けられた足場に畳を敷き、舞台が整いました。開始2時間前には多くの観客が集まり、会場の空気も熱を帯びます。
午後8時、花火大会がスタート。次々と手筒花火が火柱を上げる中、相原さんの番が訪れます。火の粉が容赦なく降り注ぎますが、顔を上げたまま堂々と構え、クライマックスの「はね」も見事成功。爆音に妻と娘は思わず驚きながらも、その勇姿に拍手を送りました。
【物価に人件費の高騰…筑後川花火大会でこんな取り組みも】

一方、こんな問題も。江戸時代から続く久留米市の筑後川花火大会。今月5日、1万5000発が夏の夜空を彩り、約45万人を魅了しました。 しかし、物価高や人件費高騰に加え、マナー違反対策の費用も課題に。迷惑駐車防止のカラーコーンや柵、看板の設置、さらには注意を促す人員配置など、安全のための経費がかさんでいます。
こうした中、キリンビールは「晴れ風アクション」を展開。「晴れ風」を購入すると、その売上の一部が選定された花火大会の開催自治体に寄付されます。今年は久留米市も支援先に選ばれました。 飲食店やホテル業界も賛同し、支援の輪が拡大。「おいしいビールを飲んで花火も守れる」と客からも好評です。地域の誇りを守ろうと、街全体が力を合わせています。