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【海の未来と寿司のネタ ③】もうウニは食べられない?磯焼けで空っぽになった「ウニの悲劇」と、寿司ネタを守る挑戦(全4回)

佐賀

08/25 10:30

【「海女漁発祥の地」宗像の海でウニ漁に密着!しかし…】

空っぽのウニ

「海の環境の変化は目に見えづらい」

今回は海の実態を探るべく、KBC長岡大雅アナ自ら潜水し皆さんも大好きなあの寿司ネタの現状を調査しました。

訪れたのは、福岡県宗像市の鐘崎漁港。かつて300人もの海女が活躍した「海女漁発祥の地」で、この時期はとろける食感がたまらないムラサキウニ漁の最盛期です。

海士(あま)歴20年の吉田博文さんに同行し、船で出港。

「行ってらっしゃい!」と海に飛び込む吉田さんを送り出し、引き上げられたウニを手にとった長岡アナは「ウニョウニョしてる!」と、その生命力に驚きます。

しかし、ウニを割って中身を確認すると、長岡アナは「えー、これしかないってことですか。空っぽ」と絶句。身がほとんど入っておらず、黒いハラワタしかない、いわゆる「空っぽウニ」だったのです。

【「岩に海藻が全然ついてない」海の砂漠化「磯焼け」に立ち向かう】

海に潜る長岡大雅(KBCアナウンサー)

なぜウニの中身は空っぽなのでしょうか?その秘密を探るため、長岡アナは自ら海に潜水します。

そこで目の当たりにしたのは、一面の岩肌がむき出しになった海底でした。海の砂漠化ともいわれる「磯焼け」が深刻な状況で、本来であれば豊かに生い茂っているはずの海藻が、ほとんどありません。

深刻な磯焼け

磯焼けの原因は、海水温の上昇によるウニの食欲増進です。ウニが海藻の成長を待たずに食べ尽くしてしまうため、海藻が育たず、海底が砂漠化してしまうのです。

しかし、生命力が強いウニは、エサがない状態でも増殖を続け、結果的に身が空っぽになったウニが大量に発生。その数が多すぎて、漁師も対策を打てない海域が広がっているといいます。

【「めちゃくちゃ美味しい!」空っぽウニが絶品軍艦に生まれ変わる】

産官学が連携 陸上養殖で身のついていないウニを育てる取り組み

深刻な問題に直面する海の現状を解決するため、宗像市ではある実証実験が行われています。

産官学が連携し、陸上養殖で身のついていないウニを育てる取り組みです。


陸上養殖の専門家、佐野さんの案内で実験施設を訪れた長岡アナは、見事に身が詰まったウニを見て「いやー、可能性感じますね!」と期待を寄せます。

4カ月後 中身が詰まったウニ

そして、特別にそのウニを軍艦にしてもらうことに。一口食べた長岡アナは「めっちゃ美味しい!」と満面の笑みで、「いろんな人の思いがこの軍艦に乗っかって届いているような気がします」と、この取り組みへの感動を語りました。

海洋の磯焼けは世界的な問題であり、この取り組みは将来的に多くの地域に広げたいということです。

次回は【海水温の上昇】とともに問題となっている【海洋酸性化】の実態について迫ります。

酸性化が進むとどうなってしまうのか、それが垣間見える「未来の海」が九州にありました。

8月25日(月)のニュース