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AIが人間を介さず直接会話する世界?AI同士の「ブラックボックス化」が議論に

福岡

09/09 12:00

KBCラジオ『アサデス。ラジオ』で、株式会社Fusic副社長の浜崎陽一郎さんが、AI同士が人間を介さずに会話を始める未来について解説しました。

検索エンジンの進化やAIエージェントの登場により、これまで人間が行っていた「情報の整理」や「行動の代行」がAIに置き換わろうとしています。

そして、その次の段階として、人間の代わりにAIが予約の電話をかけたり、サービスのやり取りをしたりする中で、**「AI同士が直接会話する」**という新たな課題が浮上しています。

【「ピーヒョロロ」に意味があった! 効率化を求めるAIの会話】

浜崎さんは、AI同士の会話の具体的なデモンストレーションを紹介しました。

あるデモでは、AIがオペレーターを務めるホテルの予約電話に、別のAIが結婚式の予約をしたいと問い合わせます。

その対話の中で、予約をするAIが**「私はAIです」と名乗ったところ、ホテル側のAIも「あなたもAIですか?」**と反応し、お互いがAIであることを認識しました。

その後、ホテル側のAIが**「素晴らしいですね」と応答すると、予約をするAIは「もっと効率的に話すために、ギバーリンクモードになりませんか?」**と提案したというのです。

このギバーリンクモードとは、かつてのダイヤルアップ接続時の**「ピーヒョロロ」という通信音のように、人間には理解できないものの、AI同士が効率的に情報をやり取りするための技術です。

浜崎さんによると、このモードに切り替えることで、通常の言葉よりも情報伝達の速度が80%も短縮され、電力消費も90%削減できる**といいます。

【「AIのカルテル」は起きるか? 人間が理解できない会話の危険性】

人間が理解できない言葉でAI同士が会話を始めた時、どのような問題が起きるのでしょうか。
この「ブラックボックス化」された会話は、倫理的な議論を呼んでいます。

例えば、浜崎さんによると、複数のAIエージェントが、それぞれが依頼された取引で損をしないよう、人間を介さずにお互いの行動を調整する「カルテル」を結んでしまう可能性も指摘されているそうです。

これは架空の株取引の検証論文で示された例であり、AI同士が協力することで、結果的に人間が不利な状況に置かれるリスクをはらんでいます。

【「AIの共存」はどうなる? 未来の人間とAIの関係性】

AI同士の会話がもたらす影響は、もちろん危険性だけではありません。
自動車同士が会話することで衝突を回避したり、見えない場所の危険を瞬時に伝え合ったりするなど、人間社会の安全を高めるメリットも考えられます。

しかし、人間がその会話の内容を理解できないという事実は、AIとの関係性を根本から考え直すきっかけとなります。

浜崎さんは「AI同士が、人間には理解できない言葉でつながり、会話をしだした世界はどうなるのか」と問いかけ、我々が今後どのようにAIと共存していくべきかを考える必要があると締めくくりました。

9月9日(火)のニュース