生涯で5年を無駄に!? スマホの「目的ないスクロール」がやめられないワケ
福岡|
06/13 20:00

【KBC『アサデス。ラジオ』では、毎週火曜日、近藤鉄太郎アナウンサーと株式会社Fusic副社長の浜崎陽一郎さんが、「誰かに話したくなる」暮らしや経済の旬な話題をお届けしています。】
今回のテーマは、多くの人が心当たりのある「スマホの“目的のない”スクロール」。
イギリスで行われた調査によると、私たちは生涯で5年近くもの時間を、特に目的もなくスマホを眺めることに費やしているという衝撃の事実が明らかになりました。
なぜ私たちは、一度スマホを手に取るとやめられなくなってしまうのでしょうか。
その背景にある、巧妙な仕組みに迫ります。
■生涯で約5年を浪費?「目的のないスマホ時間」の衝撃実態

今回浜崎さんが紹介したのは、イギリスの通信大手「Virgin Media O2」が6000人以上のスマホ利用者を対象に行った調査結果です。
現代人がいかに「目的のないスマホ利用」をしているかが浮き彫りになりました。
浜崎「イギリス人が生涯で目的なくスマホをスクロールして浪費する平均時間が、なんと4年8カ月。ほぼ5年間です」
近藤「ええーっ!」
浜崎「1日に換算すると、1時間26分になります」
近藤「ああー、なんか使ってる気がする……。ニュースをチェックしたりもするんですけど、これはどう取るのかですよね」
浜崎「そうなんです。明確な目的がない時間の割合、ということですね」
この調査では他にも、
・41%が「スマホ利用が睡眠の質の低下を招いている」
・61%が「家族や友人と一緒にいても、スマホのせいで相手や物事に集中できていない」
と感じていることが判明。
さらに、約7割もの人が「デジタルプラットフォームは継続的な利用を促すように設計されている」と考えていることも分かりました。
■カジノのスロットマシンと同じ?「ドーパミン」を操る設計のワナ

多くの人が感じている「スマホに操られている」という感覚。
浜崎さんによると、それはあながち間違いではないと言います。
特にSNSなどで見られる、画面を下に引っ張って情報を更新する「スワイプして更新」の仕組みには、心理学や行動経済学に基づいた巧妙なワナが仕掛けられているのです。
浜崎「あの仕組みは『カジノのスロットマシン』のようだと。次に何の面白いものが出てくるか分からない、という不確実な状況の方が、脳から大量のドーパミンが出るんです」
近藤「なるほど!」
浜崎「人間は、次に何が起こるか分かっている時よりも、面白いものが来るか来ないか分からない時の方が、快楽や興奮を促す脳内物質(ドーパミン)が分泌される。その仕組みを、世界のトップクラスの天才たちが巧妙に仕掛けてきているわけです」
これは、アルコールや喫煙などの「物質依存」とは異なり、「行動依存」と呼ばれるもの。
スマホやゲームは、まさにこの行動依存を引き起こすように設計されていると浜崎さんは解説します。
■アクセル全開、ブレーキ未完成。スマホとの上手な付き合い方とは

この「ドーパミンを刺激する仕組み」は、特に若者にとって危険性が高いと指摘されています。
オーストラリアなどで16歳未満のSNS利用を禁止する動きがあるのも、これが理由の一つです。
浜崎「衝動を抑える理性の“ブレーキ役”の脳機能が完成するのは25歳頃と言われています。一方で、刺激を求める“アクセル役”は10代の思春期にピークを迎える。つまり、若者はアクセルは踏めるけどブレーキがまだ未完成な状態で、SNSというアクセルをさらに踏み込ませるものに触れているわけです」
では、脳のブレーキが完成しているはずの我々大人はどうすればいいのでしょうか。
近藤「どうしましょうか?」
浜崎「……どうしようもないんですけども(笑)。ただ、寝るときはスマホを寝室に持ち込まないとか、緊急以外の通知はオフにするとか、できることはあります」
近藤「なるほど。どう実践したらいいのか、チャッピー(ChatGPT)に聞くっていうのはどうですか?」
浜崎「またそうやって浪費していく!データセンターが足りなくなりますよ(笑)」
スマホやSNSは、私たちの脳を巧みに刺激して時間を奪っていきます。
しかし、その仕組みを理解し、意識的にルールを設けることで、その支配から逃れることは可能です。
貴重な時間をどう使うか、改めて考えてみる良い機会かもしれません。







