事故多発のモバイルバッテリー 対処法は 2時間で高級車全損も
福岡|
06/13 19:00

各地でモバイルバッテリーの発火事故が相次いでいます。750万円の高級車がわずか2時間で全損、廃車になる火災も起きています。なぜ事故が多発しているのか、そして万が一の時の正しい対処法とは。専門家への取材で身近に潜む危険の実態と対策を解説します。
■高級車が全損 原因は車内のモバイルバッテリー

「モバイルバッテリーがおそらくドリンクホルダーの中で燃えて爆発したんですかね」
そう語るのは、旅行系YouTuberのおのださん。5年前に購入した750万円の愛車が変わり果てた姿になりました。焦げ付いたシート、熱で溶けたドリンクホルダー、そしてひびが入ったフロントガラス。原因は、車内に放置していたモバイルバッテリーの発火でした。
機械式駐車場に車を止め、買い物をしていたわずか2時間のできごとでした。バッテリーは購入から1年4カ月ほどで、充電中ではなかったそうです。修理に莫大な費用がかかるため、おのださんは愛車を廃車にすることにしました。
■「事故のピークは6〜8月」専門家が警鐘

北九州市では今年3月、配送中の軽ワゴン車から出火。車は1分も経たずに激しい炎に包まれ、積んでいた荷物はほぼ全焼しました。これも車内のモバイルバッテリーが原因とみられています。
なぜ、こうした事故が多発するのでしょうか。製品評価技術基盤機構(NITE)の前野剣吾主任は「モバイルバッテリーは熱に弱いので、6月から8月といった暑い時期が事故のピークとなっています」と指摘します。夏場の車内は非常に高温になるため、発火のリスクが高まるのです。
今月8日には、福岡市のビジネスホテルでも充電中のモバイルバッテリーから出火する火事がありました。
福岡市内のバスセンターでは、バスのトランクルームへの預け入れを禁止し、手荷物として持ち込むよう徹底。飛行機の機内持ち込みは1人2個までと制限され、機内での充電や使用も禁止されています。
前野さんは「特に夏場は直射日光などで車内はものものすごく熱い温度になりますので、放置するのは危険」と話します。
■冷蔵庫で冷やすのはNG 膨張・高温時の正しい対処法は?

もしバッテリーが熱くなったり、膨らんできたりしたら、どうすればいいのでしょうか。慌てて間違った対処をすると、かえって危険な状況を招くことがあります。
北海道のホテルでは去年8月、宿泊中の男性が、充電中に膨らんで高温になったモバイルバッテリーを冷やそうとして冷蔵庫に入れたところ、数分後に発煙したケースがありました。
NITEの前野さんによると、高温・膨張は火災の前兆で非常に危険な状態といいます。そうなった場合は、鍋などの金属製の容器に入れ、蓋をして万が一に備えてほしいと呼びかけます。水を使う際は大量の水に入れる、もしくは大量の水をかける対応をしてほしい、とのことです。
■処分する際にも注意を

挿しっぱなし、暑い場所の放置は危険です。処分する際は家庭ごみとして捨てることはできず、ショートや発火を防ぐため、端子部分にテープを貼って絶縁したうえで、家電量販店や自治体が設置する専用の回収ボックスに入れてほしいということです。
福岡市では、市役所や公民館など市内74カ所に専用の回収ボックスを設置し、適切な処分を呼びかけています。







