「ちょっと月まで」が日常に? SpaceXが12兆円の資金調達で描く驚きの未来図
福岡|
06/20 20:00

KBC「アサデス。ラジオ」では、毎週火曜日、近藤鉄太郎アナウンサーと株式会社Fusic副社長の浜崎陽一郎さんが、「誰かに話したくなる」暮らしや経済の旬な話題をお届けしています。
今回は、イーロン・マスク氏が率いる宇宙開発企業「SpaceX」が、先週ナスダック市場に上場し、世界に衝撃を与えたニュースをピックアップ。
その驚異的な企業価値と、壮大なビジョンに迫ります。
■時価総額300兆円! トヨタの6倍に迫る衝撃デビュー

先週、イーロン・マスク氏の宇宙開発企業「SpaceX」が上場し、大きな話題となりました。
その注目度は、驚異的な企業価値にあります。
浜崎:企業の価値を測る時価総額という数字がありますが、これが約2兆ドル。
日本円にすると約300兆円です。
近藤:はい。
浜崎:よく比較されるのがトヨタ自動車ですが、トヨタ自動車の時価総額が約50兆円。
つまり、トヨタ自動車の6社分くらいの価値を持ったということです。
さらに、上場で調達した資金が約12兆円。
これも2019年にサウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコが調達した額の約3倍で、過去最大級の資金調達となりました。
これだけの巨額な資金が集まった背景には、投資家たちがSpaceXの描く未来に大きな期待を寄せていることがあります。
■「ロケットが余る」から生まれた? 衛星通信ビジネス"スターリンク"

SpaceXは、2002年の創業当初から「人類の火星移住」という壮大な目標を掲げてきました。
その夢物語を実現可能にしているのが、同社の圧倒的な技術力です。
浜崎:日本のH3ロケットの打ち上げ成功も大きなニュースになりましたが、SpaceXは2日に1回のペースでロケットを飛ばしているんです。
近藤:あ~、もう日常だ。
浜崎:それを可能にしているのが、打ち上げ後に切り離されたロケットの1段目が、自動で発射場に戻ってくる「再利用技術」です。
これにより、コストを劇的に下げ、どんどんどんどん飛ばせるようになりました。
ただ、ロケットってあくまでも宇宙に何かを運ぶためのタクシーみたいなものなんですよ。
いっぱい打ちあがってうれしかったんですが、お客さんあまりこないな、と余るようになったんです。
近藤:あ、載せるものがないと。
浜崎:そこで「じゃあ自分たちの衛星を載せよう」となって、彼らの衛星がいま約1万基、地球の周りを飛んでいます。
その結果、衛星通信ビジネスの「スターリンク」ができあがったんです。
このスターリンクは、ロシアのウクライナ侵攻時に通信インフラとして活用されたことで一躍有名になりました。
現在、SpaceXの唯一の黒字事業として、約1.5兆円の売り上げを上げています。
通信インフラが未整備な地域や、広大な海の上など、地上からの電波が届かない場所を独占的にカバーできるのが強みです。
■「ちょっと月まで」が海外旅行の感覚に? 火星移住計画、驚きの進捗

巨額の資金を手にし、盤石な収益源も確保したSpaceX。
その次なる一手は、創業以来の目標である「火星移住」に向けた具体的なステップです。
浜崎:彼らは今、「スターシップ」という、巨大な宇宙船を開発しています。
これまでの衛星のような軽いものではなく、人間や重たい資材を宇宙に運ぶためのものです。
近藤:へえ。
浜崎:先日、このスターシップの試験飛行が成功したというニュースもありました。
本格的に月や火星を目指す段階に入ったんです。
我々が生きている間に「ちょっと月行ってこようかな」といった、宇宙旅行ができるかもしれない、というところに来ています。
これまで夢物語だと思われていた宇宙が、ビジネスとして成立し、私たちの日常に近づいてきている。
今回のSpaceXの上場は、その大きな一歩と言えるでしょう。







