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相次ぐ食中毒 適切な予防法は カンピロバクター、アニサキス、「100℃で死なない菌」も

福岡

06/27 19:00

カンピロバクター菌

 高温多湿な梅雨の時期は、食中毒のリスクが急増します。今月、福岡市中央区の焼き鳥店でカンピロバクターによる食中毒が発生し、店は営業停止処分となりました。刺身に潜むアニサキスや、作り置きのチャーハンで発生する「チャーハン症候群」など、身近な食事に潜む危険はさまざま。食の現場で行われている対策と、家庭ですぐできる予防法を解説します。

■福岡の焼き鳥店で5人が発熱・腹痛

焼き鳥店で食中毒

 今月、福岡市中央区の焼き鳥店で、客5人が発熱や腹痛といった症状を訴えました。店は2日間の営業停止処分に。原因は、鶏肉などに潜む「カンピロバクター菌」でした。

マンジャの灰原一恵さん

 福岡市内の弁当店では、食中毒対策として徹底した食材の温度管理が行われています。品質管理担当の灰原一恵さんは「高温多湿になる梅雨の時期はより一層注意が必要」と語ります。
 店では、加熱調理する食材は芯温計を使い、中心温度が80℃以上になっていることを確認。これは、厚生労働省が推奨する「75℃で1分以上」という基準を上回る厳しい管理です。
 調理後の冷却も、菌が最も繁殖しやすいといわれる30〜40℃の温度帯を素早く通過させるため、「急速冷却機」を導入。揚げたての唐揚げも、95℃から25℃までわずか10分で温度を下げます。配送は、保冷車の庫内温度が菌の繁殖しにくい15℃以下になってから積み込むようにしています。
 灰原さんは「お弁当はお客様が召し上がるまでに時間がかかるので、いかに安全に安心して食べていただけるか、いろんなことを数値化して徹底して行っています」と話します。

■刺身の恐怖「アニサキス」対策にブラックライト

アニサキス対策にブラックライト

 中村調理製菓専門学校の小森祐子准教授は「夏バテで体が弱っているところに菌が入ってくるとダメージを受けやすい」と指摘します。
 予防として、手を洗って食材を洗うなど菌を洗い流すことや、菌を増やさないための温度管理の重要性を訴えます。温度を加えることで菌を増やさない、冷蔵庫のなかで10℃以下で保存することが基本、といいます。
 食中毒の原因は菌だけではありません。福岡市では今月、スーパーの刺し身が原因とみられるアニサキスによる食中毒が2件発生しています。
 アニサキスはサバやアジなどに寄生する白い糸状の寄生虫で、激しい腹痛や吐き気を引き起こします。
 海鮮メニューが人気の「博多海鮮処 まんぷく屋 大名店」では、このアニサキス対策としてブラックライトを使っています。上野剛店長は「(アニサキスが)いたら光の中で白いニョロニョロってのがある」。毎朝仕入れた魚にライトを当て、肉眼でのチェックを欠かしません。「サバは福岡のソウルフード。提供はずっとしていきたい」と語ります。
 小森准教授によると、家庭で予防するには、できるだけ早く内臓を取り出すこと、加熱(60℃で1分以上)または冷凍(-20℃で24時間以上)が効果的です。

■100℃でも死なない!? 作り置きが危険な「チャーハン症候群」

九州朝日放送

 こうした菌や寄生虫とは別に、「チャーハン症候群」と呼ばれる食中毒もあります。原因となる「セレウス菌」は、野菜や穀類に存在し、特にチャーハンやパスタといった炭水化物の料理で増殖しやすいとされます。
 セレウス菌は自然界に存在し、生育環境が悪化すると「芽胞」と呼ばれるバリア状態で休眠します。この状態になると100℃の加熱にも耐え、生き残ります。そして、調理後に室温で放置されて菌にとって快適な温度になると、今度は耐熱性の「毒素」を出すのが特徴です。この毒素は再加熱しても消えないため、一度発生するとその食品は食べられなくなってしまいます。
 対策として、小森准教授は「食べきる量で作る」「余った場合は必ず冷蔵や冷凍で保存」を呼びかけます。
 夏バテで体力が落ちやすいこの時期は、食中毒の症状も重くなりかねません。正しい対策で、安全に食事を楽しみましょう。

6月27日(土)のニュース