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ロボットが執刀医に?遠隔手術が変える日本の医療の未来

福岡

07/18 20:00

【KBC『アサデス。ラジオ』では、毎週火曜日、近藤鉄太郎アナウンサーと株式会社Fusic副社長の浜崎陽一郎さんが、「誰かに話したくなる」暮らしや経済の旬な話題をお届けしています。】
今回は、世界で初めて2体の人型ロボットが主体となって手術を成功させたというニュース。

この技術が、医師不足や医療の地域間格差といった社会課題を解決する切り札になるかもしれません。

アメリカと日本で進む、医療の未来をかけた開発競争の最前線とは-。

■世界初!2体の人型ロボットが執刀、ブタが“被験者”

浜崎さんが紹介したのは、米経済誌フォーブスに掲載された「世界で初めて2体の人型ロボットが主体となり、手術に成功した」というニュースです。

これは、アメリカのカリフォルニア大学サンディエゴ校で行われた実験で、胆のうを摘出する手術を、2体のヒューマノイドロボットが成功させたというものです。

この話に、近藤アナは思わずこんな質問を投げかけます。

浜崎:「どうです?近藤さん。人に手術してもらうのとロボットに手術してもらうの、どっちがいいですか?」
近藤:「いや〜、まだ人がいいかな(笑)。ちょっと不安です、ヒューマノイドロボットはまだ」
浜崎:「まだ賢明です。というのも、今回の手術の“被験者”は、実はブタだったということで、まだ人ではないんです」
さらに、この手術はロボットがAIで自律的に動いたわけではなく、遠隔地にいる人間の医師がモニターを見ながらロボットを操縦して行われたもの。

とはいえ、このニュースには医療の未来を変えるポイントが隠されていました。

■1体300万円!「ダヴィンチ」との違いに見る、遠隔手術の新たな可能性

この実験で特徴的なことは、使われたロボットが「市販されている汎用的なヒューマノイドロボット」だったという点です。

その価格は1体およそ300万円。

2体でも600万円です。

これまで手術支援ロボットといえば、アメリカ製の「ダヴィンチ」でした。

これは非常に高性能ですが、1台およそ3億円と高価なうえ、一度設置するとその手術室でしか使えない固定式の巨大な装置です。

一方、今回の汎用ロボットはダヴィンチよりも安価で、しかも人間と同じように“移動”ができます。

つまり、専門医がいない地域にもロボットを運び込み、専門医は都市部の病院にいながら遠隔で精密な手術を行う、という未来が現実味を帯びてきたのです。

これは、医師の数が絶対的に不足しているアメリカだけでなく、医師の「偏在(地域による格差)」が問題となっている日本の医療現場にとっても、希望となり得ます。

■近藤アナの故郷・小値賀島でも手術可能に?日米で異なる未来へのアプローチ

この技術の可能性に、近藤アナは自身の故郷を重ねます。

近藤:「例えば、私のふるさと長崎の小値賀島にそのロボットを持っていって、福岡にいるお医者さんが操作できるんですか?」
浜崎:「まさしく、そういうことなんです。ただ、そこには日米でアプローチの違いがあって、アメリカは今回のように『安くて持ち運べるロボット』で医療を届けようとしています。
一方、日本は『高性能な国産ロボット』と『超高速・低遅延の通信網』をセットで開発する方向です」
日本が開発を進める手術支援ロボット「hinotori(ひのとり)」は、すでに神戸とフランス(約2万3000km)を結んだ遠隔手術実験にも成功しています。

将来の「6G」といった通信技術が普及すれば、どんなに離れていても遅延なく、より安全で精密な手術が可能になります。

医師の長時間労働や地域偏在、そして高齢化による医療需要の増大は、日本が抱える大きな課題です。

AIが自ら執刀する未来はまだ先かもしれませんが、ロボット技術と通信技術を駆使して「どこにいても専門医の医療を届けられる」未来は、確実に近づいています。

今回のニュースは、そんな新しい医療の形を予感させる一歩と言えるでしょう。

7月18日(土)のニュース