果実のみならず生産者の希望までも… うきは市の農家 2年連続で梨奪われる
福岡|
07/23 19:07
うきは市の農園で、収穫間近の梨約5千個が盗まれる事件がありました。2年連続の被害で農家は苦渋の決断を下しました。
「喜ぶ顔しか考えてないのにねえ。盗られる事考えよったら何して良いか分からないです。僕ら作ることが仕事なんで」農業を始めて15年になる佐々木浩喜さん(54)が父と大切に育てていた梨。
被害が発覚したのは、今月17日のことでした。
盗まれたのは「幸水」約5千個。今年は市場価格も高く、金額にして200万円相当に上ります。
デパートへの納品や贈答用の予約も決まった矢先の出来事でした。
佐々木浩喜さん「取られたのは、ここから奥まで約50本。1本あたり100個くらい作っとったから5千個」
この農園では、去年も約6千個の梨が盗まれる被害を受けていました。
共に汗を流してきた父親の国義さんもショックを隠せません。
国義さん「去年と同じような形になってしまったからねえ。農薬代、資材代がもう…」
2年連続の大打撃でしたが、今年は去年と違う点がありました。
去年は農園全体から盗まれていましたが、今年は入り口付近の梨には手を付けず、100メートルほど進んだ奥の梨が狙われていました。
さらには、無理やり引きちぎられた形跡も。
浩喜さん「たまにこうやって折られたところがある。去年は結構なプロの仕業かなと思いよったけど、今年はこういうのがちょこちょこあるんよね。だから夜盗ったのか素人なのか」
短時間で大量の梨をどのようにして運び出したのか…
父親の国義さんは犯人の手口をこう推測します。「洋服を入れるタッパー、ああいうものに積んでいけば、梨を積んでいきよることが分からんけん、ああいうのじゃなかろうかと」
実は、盗まれた梨は、本来の収穫期より早く商品価値も格段に落ちるといいます。
浩喜さん「去年より1週間早い絶対。だから食べられない。加工用にしか出来ない。でも安くしか売れんからね加工品は。二束三文しかならんと思う」
去年の被害を受け、市が防犯カメラを設置したほか、浩喜さんも農園の入口に柵を取り付けて施錠する予定でした。
対策が間に合わなかったことに悔しさをにじませます。
浩喜さん「対策が出来てなかったのが油断かなあと思って自分を責めるしかないんですけど。気力が沸かなくってね」
そして… 浩喜さんは、苦渋の決断を明かしました。「今年閉園する。梨はとにかくやめる。やっと農業が好きになってきて色々な事を覚え始めた。買ってくれるお客さんもいるんで、その人たちに届けるのが楽しみで頑張ってると思うんでね。すごく悔しいです…」
周辺では、22日、桃が100個盗まれる被害も出ています。
丹精込めて作りあげた成果だけでなく、生産者の希望までも奪ってしまう許せない犯行。
警察はパトロールを強化する方針ですが地域に不安と動揺が広がっています。







