【熊本地震】被災地で“火事場泥棒”「これ以上傷つけないでほしい」…倒壊した家屋から命からがら救出された姪
福岡|
08/04 14:00

厳しい暑さの中、懸命の復旧活動が続く、被災地・熊本。
そんな中“火事場泥棒”が現れているという情報もあり、被災した住民らは“家番”をするなど、本来は必要がない“警戒”に労力を割かれています。
■1階が押し潰された自宅・・・奇跡的に救出された中2の姪

熊本県八代市で井手彩斗さん(38)が3日、取材に応じてくれました。
井手さんに話を聞いたのは、兄の自宅。
1階部分が激しい揺れによって押し潰され、2階がそのまま崩れ落ちているという状況です。
当時、この家には兄の家族と母親らが暮らしていたといいます。
井出さんによると、地震発生時、1階の部屋で寝ていたのは中学2年生の姪でした。
家が倒壊し、危機的な状況でしたが、近隣住民が駆けつけ、ガレキの隙間から約20分かけて姪を救出してくれました。
── 当時の救助の状況について教えてください。
「姪が寝ていたのは1階の奥の部屋でした。上がガーンと落ちてきて、普通なら圧迫死していてもおかしくないような状況だったんです。幸いにも隙間ができていて、近所の大人の男性お二人が飛んできてくださり、20分ほどかけて救い出してくれました。病院での診断結果もかすり傷程度で済み、本当に不幸中の幸いでした」
命に別条はなかったものの、住み慣れた家屋は全壊。
兄夫妻らは車中泊を余儀なくされ、姪は安全を確保するため別の場所へと避難することになりました。
■避難直後の隙を突いた「火事場泥棒」

姪の無事に安堵したのも束の間、被災した家が“火事場泥棒”に狙われます。
── どのような被害があったのですか?
「救助された姪が使っていたサッカー部の部活用リュック(セカンドバッグ)がなくなっていました。震災の揺れで散乱したわけではなく、家族で『絶対にここにあったよね』と確認していた場所から、明らかに持ち出されていたんです。中身はユニフォームや着替えなどだったと思いますが、犯人は『小遣いや金品が入っているかもしれない』と思って持ち去ったのだと思います」
幸いにもそのほかの貴重品や金銭そのものは無事でしたが、被災者の混乱に乗じて物品を奪っていく卑劣な手口が浮かび上がります。
■「火事場泥棒」対策に削られる体力

さらなる盗難や悪質な被害を防ぐため、災害支援のボランティアに依頼して残された貴重品等の撤去・確認作業を実施。
また、弟の井手さんは、兄が仮住まいの手続きや罹災証明書の発行手続きで外を回っている間、「これ以上の盗難を防ぐため」に倒壊現場で「家番(見張り)」を続けています。
「倒壊した家から不法に持ち去る人間に対しては、天罰が下ってほしいとしか思えません。震災で心身ともに打ちのめされている被災者を、これ以上傷つけないでほしいです」
卑劣な“火事場泥棒”が金品だけではなく、被災者の体力も、心の安寧も奪っています。







