総裁選めぐり各陣営“歴代総理詣で”総理経験者は誰を支持?政治部解説
政治|
09/12 19:53
小泉農林水産大臣(44)が総裁選出馬の意向を固めたことが分かりました。このまま5人の争いとなった場合、総理経験者は誰を支持するのか。政治部記者の解説です。
■小泉氏も出馬意向固める
小泉農水大臣
「では食べていいですか?」
小泉農水大臣自ら率先して食べようというのが「イカラーメン」。能登半島地震の被災地・石川県能登町で水揚げされたイカの煮付けを具材にしたラーメンです。
小泉農水大臣
「ラーメンと合う、おいしい」
石破総理大臣の辞任表明後、「公務最優先」で職責を果たしているという小泉農水大臣。自民党の総裁選挙に出馬する意向を固めました。
ただ、本人はまだそのことを口にはしません。
小泉農水大臣
「出馬するのではないかとかいう報道に加えて、出馬しないんじゃないかという報道もありますね。こういう時期になりますと情報戦、そして報道合戦、色んなことがありますが、やはり政治家としてはよって立つ所は生まれ育った地元です。重要な判断をする時、横須賀と三浦の皆さんの声を伺いながら最終的に対応して判断をしていきたいと思っています」
小泉農水大臣はこの週末、地元で支援者に出馬の意向を伝えたうえで、来週後半に出馬表明会見を開く見通しです。
すでに菅副総裁に近い中堅・若手議員と旧岸田派の一部議員が中心となって小泉農水大臣を支援しています。
小泉氏周辺
「小泉さんはもし今回、短命に終わっても、あと20年は政治家人生があるし再登板もできる。今回出ない選択肢はない」
ただ会見では厳しい質問も…。
石破総理が辞任を表明する前日の夜、菅副総裁とともに総理公邸を訪れた小泉農水大臣。その場で石破総理に退陣を促したのではないかとの臆測が広がっています。
小泉進次郎農水
「(Q.総裁選出馬ありきでタイミングをうかがっていたんじゃないかと結果的に石破総理を踏み台にしたように見えるんですが?)全く、そういったことはないです。(退陣を)説得なんてとんでもありません。総理のお気持ちに向き合いながら、色んなお話を聞かせていただいたと。きょう色んな報道がありますけども、私として何か申し上げたことはありません。いずれにしても、どちらの決断をするにしても私は大臣としての務めをしっかりと果たしていきたいと思います」
これで当初からポスト石破に名前が挙がっている5人全員が総裁選に立候補することになりそうです。
野党からは「言い得て妙」のこの発言。
立憲民主党
野田代表
「今、出てきている顔ぶれというのは1年前にも挑戦をされた人ばっかりじゃありませんか。要は1年前の敗者復活戦みたいなものですよね」
今週、表舞台にはほとんど姿を見せていない高市前経済安保担当大臣。11日、これまで距離があった岸田前総理と面会、出馬の意向を伝えたとみられます。
林官房長官はすでに岸田前総理に出馬の意向を伝えるなど各陣営、歴代総理詣でを始めています。
茂木前幹事長は麻生元総理と会談したほか、小林元経済安保担当大臣は石破総理のほか、麻生元総理、菅元総理、岸田前総理に出馬の意向を伝えました。
■総理経験者は誰を支持?
最高顧問の麻生元総理、副総裁の菅元総理、そして岸田前総理と現職の石破総理。それぞれ党内では一定の影響力を持っています。
政治部
与党キャップ
澤井尚子記者
「石破さんは官房長官として支えてくれている林さん、そして小泉さんの2択になると思います。肝入りの防災庁立ち上げや農政改革など、このまま立ち消えにならないよう、次に引き継ぎたいと考えているからです。退任表明の前夜に寄り添ったのは小泉さんですが、閣僚経験や歴史観などを踏まえると、林さんを選ぶのではないかと話す周辺もいます。岸田さんも、かつて岸田派をナンバー2で支えた林さんの可能性が高そうです。派閥はなくなったものの、結束は残っていて、岸田さんはそれを重視しています。ただ、中堅・若手は、木原センター委員長を中心に小泉さんを推す人が多い状況です」
閣僚経験者
「小泉さんが総理をやるなら、即解散がセットだな。そこで勝てれば案外、強い政権が作れるかもしれない」
政治部
与党キャップ
澤井尚子記者
「菅さんは小泉さん一択です。去年の総裁選でも小泉さんを全面的に支援しましたし、小泉さんがもし総裁になれば菅さん自身、維新とのパイプ役を買って出て連立も視野に連携に動くとみられます。麻生さんはまだ態度を決めておらず、情勢を見極めている段階です。先ほど麻生さんのもとを訪れた茂木さんは1週間前にも2人でご飯を食べるなど関係性は良好です。高市さんとしても去年のように決選投票では麻生派を高市さんでまとめてほしいと期待していると思います。ある政府関係者は、高市さんが今回訴える政策は中道保守に変容させるなど、麻生さんら総理大臣経験者も意識した打ち出しになるようだと話しています」