“異例の盛り上がり”を見せる兵庫県知事選 候補者の最後の訴えは
社会|
11/16 23:30
17日に投開票を迎える兵庫県知事選挙は、不信任を受け失職し出直し選に臨む前知事を含め、過去最多7人が立候補。期日前に投票した人は、前回の同じ時点と比べて約1.5倍となるなど、異例の盛り上がりをみせています。果たして兵庫県民の審判は。(11月16日OA「サタデーステーション」)
■県政の立て直しなどが争点
前兵庫県知事
斎藤元彦候補(47)
「躍動する兵庫の実現に向けた歩みを私は止めたくない。あと一歩、あと一歩なんです」
職員へのパワハラ疑惑などを告発された斎藤元彦前知事。
県議会の不信任決議を受け、失職したことに伴う兵庫県知事選挙が、17日に投開票を迎えます。争点は、停滞と混乱が続いた「県政の立て直し」と「知事としての資質」などです。
選挙戦は17日が最終日。候補者たちは最後の訴えに奔走していました。
■聞く力を武器に
清水候補
前参院議員
清水貴之候補(50)
「兵庫県、観光客多いけど、宿泊の方少ないんです。来る方の1割しか宿泊してくれません。残り9割日帰りです。外国人も大阪の30分の1しか来てくれていない、まだまだ余力あります。兵庫県、これだけ広くて素晴らしいところいっぱいあるから、もっとみなさん楽しんでもらって、動き回ってもらって、お金落としてもらって、地域経済活性化してもらいたい。県の仕事だと思います」
「ひょうごリスタート」を掲げるのは、元アナウンサーで前参院議員の清水貴之さん。
前参院議員
清水貴之候補(50)
「なんとか混乱したこの兵庫県政を刷新したいという思いで立候補しております。清水です、清水貴之。皆さん、よろしくお願いします」
日本維新の会を離党して臨んだ今回の知事選。維新や自民系の市議や県議らが応援に駆け付け、連携をアピールします。これまでの斎藤県政については。
前参院議員
清水貴之候補(50)
「特に子育て支援とか、教育とか、若者支援、ここは評価をしています。ただ一方、やっぱり半年間(県政の)混乱というのは、評価としては非常に難しい」
そして、元アナウンサーとしての経歴を活かした新たなリーダー像を有権者に訴えます。
前参院議員
清水貴之候補(50)
「やっぱり発信力。アナウンサーですから、表に出て、人に話して伝えるということを仕事にしてきましたので、そういった面を活かしたい。聞くという力を活かしてコミュニケーションを深めていくことで、そういった混乱が解消できるんじゃないかと考えています」
■有権者との対話を重視
稲村候補
前尼崎市長
稲村和美候補(52)
「最終日、やっぱり私は改めてこのことを皆さんに訴えたい。対話なくして、信頼関係は構築できない。信頼関係なくして、連携できる兵庫は作れない」
「対話と信頼」を掲げ、風通しの良い県政を目指す、前尼崎市長の稲村和美さん。
前尼崎市長
稲村和美候補(52)
「私も市長として12年間、皆さんの税金と大きな権限を預かって仕事をさせてもらいました。その権限は一緒に仕事をする職員を萎縮するためではなく、皆さんの暮らしを守り、皆さんの生活をよくしていくために使われるべきものだと思うんです」
今回の選挙では、有権者と対話を重ね、1日に10件以上、演説で回ることもありました。前知事の評価については…
前尼崎市長
稲村和美候補(52)
「やっぱり行政の組織運営上の課題があったというふうに思います。良かった政策は継続していければいいと思いますけど」
対話だけでは伝わりにくい政策などはショート動画にまとめてYouTubeで配信。「対話」と「SNS」を使い分けて有権者にアピールしました。
■さまざまな実績をアピール
斎藤候補
一方、出直し選挙での再選を狙う斎藤前知事。最後の訴えでは、これまで進めてきた政策はまだ途中だと訴えました。
前兵庫県知事
斎藤元彦候補(47)
「確かに失敗はした。そして色んな経験をした。だからこそ私、斎藤元彦にもう一度県政を担わせていただきたい。そして、今回学んだことを糧に、もう一度みんなで一緒にもっともっといい兵庫県を作っていく。その力をぜひ、皆さんに与えていただきたいと思います」
16日、47歳の誕生日を迎えた斎藤前知事。集まった有権者のなかには、お祝いのメッセージボードを掲げる人も。
前兵庫県知事
斎藤元彦候補(47)
「組織や政党の支援がない中、私は1人からのスタート。ぜひ皆さんの1人1人の力を私に貸していただきたいと思います」
今回の選挙戦は、逆風からのスタートでしたが、演説会場に姿を見せると、多くの有権者が集まり囲まれる場面も目立ちました。斎藤陣営もSNSを駆使して街頭演説の予定や様子を毎日投稿。演説では県立大学の無償化など実績を訴えてきました。
前兵庫県知事
斎藤元彦候補(47)
「県民のみなさまの日々のお悩み、そういったものを私自身が直接聞いて直接学んで、そして県政に反映していく」
■命を大切にする県政に
大沢候補
“世直しドクター”を謳う共産党推薦の大沢芳清さん。県の保険医協会の理事を務める医師です。
医師・共産推薦
大沢芳清候補(61)
「コロナの感染が広がった時には、 何度も職員と話し合いを行いました。一人一人の職員を信頼し、職員が持つ力を発揮できる職場を作ることがリーダーの責任です」
今の県政にはリーダーが必要だといいます。
医師・共産推薦
大沢芳清候補(61)
「まず県政の混乱を正し、正常化を図ります。今リーダーの資質が問われています」
さらに、子どもへの支援策も。
医師・共産推薦
大沢芳清候補(61)
「学校の授業料無償化とか、返すことのない奨学金制度を作るというのを今、私は掲げています。今までの県政は大企業優先であったりとか、大きな事業、建設とかそんなことばっかりやってましたので、県民に向いてなかったと思うんですよね。私は命や暮らしを大切にする、そういう県政に変えていきたいと思っています」
■施設の老朽化対策訴え
福本候補
音楽関連会社社長の福本繁幸さんは、できたての街宣車を、自分で運転して登場。
会社社長
福本繋幸候補(58)
「若者、障害者、 高齢者、そして各施設の老朽化とかに、きちんとした支援をする。政策は知事にならないとできないんですけども、言うことによって次の知事が何かを考えてくれる。ですから決して無駄ではない」
■前知事の政策継続を主張
立花候補
政治団体党首
立花孝志候補(57)
「いわゆる辞めさせられた斎藤前知事は何にも悪くなかったということです」
政治団体の党首、立花孝志さんは、斎藤前知事は、これまで通り県政を担うべきだといいます。
政治団体党首
立花孝志候補(57)
「無駄な税金ということで(削減した)そのお金をもっともっと若者世代に、授業料安くしたり不妊治療とかね、その公約通り斎藤知事はやっただけなんですよ」
■大阪府との合併打ち出す
木島候補
そして、会社社長の木島洋嗣さん。
会社社長
木島洋嗣候補(49)
「斎藤さんの改革路線、私は大賛成なんですけども、 私は一つ強烈政策を持っていまして、それは大阪府と兵庫県は合併すべきっていう政策を持っております。そうなると、どんどん色々な企業、東京行った企業が戻ってくる。戻ってくると法人税収があがってくる。みなさんの医療・介護・福祉にあてることができる」